父は、帰宅すると必ず洋服にブラシをかける人でした。
手に持ったブラシを生地の上で軽く回転させるように、さっ、さっ、さっ、いや ・・・、すっ、すっ、・・・かな。
なにしろ丁寧かつ手早く、上から下まで、何かを落としていました。

見慣れた光景過ぎて、何の興味も沸かなかったし、気にもなりませんでした。それくらい、お決まりの、あまりに常に同じ、日常の光景でした。
父から 「***ちゃんも使ったらいいよ。」と言われたことが何度かありましたが、「何のために? ^^」って感じでした。無知ですね~。

今。
私の家の玄関にも、ブラシが置いてあります。
結局同じことをしている自分が可笑しくて・・・^^

ダークカラーのジャケットやコート、ストールには必ずホコリが付くものですが、それがいつしか消えているのはクリーニングのせいだと思っていました。
違いました、私の気付かないところで、母があのブラシを使ってちゃんと手入れしておいてくれていたとは。
家を出て初めて知りました ・・・・(^^ゞ


いざ使ってみて驚きました。洋服ブラシってすごい!
初めてブラシをかけた時は、あぁコレコレ、この感じこの感じ、キレ~イ☆ と心が躍りました。

先日のこと、その母が我が家を訪れ 「まぁ~あちこちなんてキレイにしてあるのかしら~っ、すごいわね~(・∀・)☆」 と感心したように言うのです。
私は驚き半分、可笑しさ半分で思わず言葉を失いました。だって、私は母がしているのと同じことをしてるだけ ・・・ (´0ノ`*)♪ オホホ。
母がしていた通り、私なりにそこに習っているだけなのです。私が知ってるモデルは "それ" しかなく、私のデフォルトは "そこ" だから。
「行き届いてるわ~」と感心されると、私のなかでは 「ありがとう☆・・・でもそうだとすれば、それはお母様が、ね ( ´艸`)♪ウフ 」というお話となるわけです^^

気が付くと、彼女のミニチュアみたいな私でした。
いや、完全にミニチュアです^^

このブラシは、ウール・カシミヤ兼用です。一度で二度美味しいみたいなこのブラシは、江戸屋のものです。