「世界遺産」のDVD、購入しました。
本当に、今更・・・なんですが、やはり手元に置いておきたくなって。
やっと心底から楽しめる気分になりました。

『フランス編②』 には、ヴェルサイユ宮殿と庭園、シュリー・シュル・ロワールとシャロンヌ間のロワール渓谷の 2回分がおさめられています。

百聞は一見に如かず、の言葉の通り、第三者によって映像に撮られた形のものを何度見たところで、あの時、自分が実際にパリから車を飛ばし、足を運んでこの目で見た時の迫力や感動のほんの10分の1ですらも味わえるものはありません。

こうした映像にまとめられたものは信じられないほどに駆け足ですから、映像を見れば見るほど、実際はもっとこうだった、あの部屋の天井がこうだった、隣の部屋までこう続いていた、あれも写ってない、これも写ってない、と無いもの尽くしです。
映像を見れば見るほど、そこに映っていない世界への思いが募って、あの階段を上がると塔に上がれた、こんな部屋があって、あんな部屋があって、回廊が続いていて・・・とそんな風に何だか逆にフラストレーションばかりが溜まってしまう・・・

実際、少し前までは、事実そうでした。何を見てもがっくりという後味が残ることが多く、楽しめた試しはありませんでした。
な~んだ・・・、それだけか・・・、と寂しいばかりの後味。
だから、 「見たいけど見たくない。結局何を見ても懐かしさより物足りなさが勝ってしまうだけだから。」 と、ずっとそう思っていました。

多分、帰国から時間が経過することで自分の気持ちが変わってきたんだと思います。
あるいは、物足りなさが残るとしても、それもまた良い、と思う余裕ができたのかも知れません。

今になってやっと、「すごく欲しいけど・・でもなぁ・・・」と思っていたDVDをやっと、購入する気分になりました。何だか少し、楽になりました。
えへ・・・ハート②

あぁ、もっと柔らかい人になりたいな~あひる






アンボワーズ、アンジェ、アゼ=ル=リドー、ブロワ、ショーモン、シュノンソー、シュベルニー、ヴィランドリーの各城が、空撮映像を織り交ぜて紹介されています。

自分の目線とは異なる目線を得て、その目を通じて旅をしている気分になりました。目の前の美しい映像に感動しながら、私は懐かしい旅の記憶を思い出していました。

数箇所のシャトーホテルを移動しながら、各城を巡った旅のことを。
ホテルの美味しいお料理に舌鼓を打った時のこと、暖炉の火にいつまでも見とれていた夜のこと。城内のあちらこちらの固く閉ざされた扉の前でこの扉の向こうを見てみたい、この塔の上まで登ってみたい、と思った時こと。煤(すす)で黒ずんだ冷たい暖炉の前に立ち、15世紀にはここにも火が入り、こうこうと炎をあげて燃えていたのだろうか、中世の衣装をまとった誰かが自分が今こうしているように暖炉の前に立っていたのだろうか・・・と一人妄想(?)と空想の世界を堪能していた時のこと。

時間ができたらまた、ゆっくり回って来たいな~。


上と右は 『フランス編③』 で、パリのセーヌ河岸、モン・サン・ミッシェルとその湾、の 2回分がおさめられています。

パリの街並みには古城を見るのとは違う感慨がありました。ここは中華を食べに行くのにいつも通ったな~、とか、フランスパンかじりながらよく歩いたな~、夜食事するのに車を止める場所がなくてこの辺りを延々回ったよな~、とか。あ。食い気ばっかり・・・(^^;)

モン・サン・ミシェルには、・・・・涙しました。
いつ行ってももうとにかく凄い "人" なので、なかなかこのような形でゆっくり鑑賞しすることは難しく、こうして無心で浸れるのはDVDならでは。

湾に流れ込む水の美しさと緊張感。
大天使ミカエルの輝く雄姿。
空撮映像でなければ目にすることができない "奇跡の光景"(解説より) には胸が苦しくなります。
ひたすら車を走らせて、やがてふと、遥か遠くに・・・、あのモン・サン・ミッシェルの形が浮かび上がって見えた時のあの興奮と感動を私は今でも忘れません。