映画「Tiré à part (邦題 「私家版」)」を見ました。

非常に堪能しました。
DVDで手元に置いておきたいくらい。


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1996年に製作されたフランス映画ですが、基本的に全て英語です。
主人公のイギリス人紳士が(テレンス・スタンプの抑制の利いた演技がハートを鷲掴みにします…)ロンドンとパリを行き来しながら、その目的を遂げるべく粛々と完全犯罪を作り上げていく過程が丁寧に描かれます。

英国人らしい仕草、振る舞い、会話。
英国らしい屋内装飾、調度品。
ロンドン、パリの美しい街並み。
瞬きするのが惜しいほど圧倒的にエレガントでシックで深い映画です。

パリの街並みやフランス訛りの強い英語に懐かしさを感じつつ、映画の中で際立つ古びた大道具や小道具の美しさに心奪われつつ、人の知性と脆弱さに魅せられた90分でした。

見終えた後、どこか映画 「スイミング・プール」(これもとても好きな映画です。) が思い浮かんだのは、物書きや出版社という舞台設定そのものの他、ストーリーの物静かな流れ、タイプライターのカタカタという音などが共通するからでしょうか。





原作もぜひ読んでみたいと思っています。
どんな言葉でどんな風に綴られているのか、とても興味があります。

私家版/ジャン=ジャック フィシュテル

¥630
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「本」がお好きな方にぜひおすすめしたい作品です。
映画「スイミングプール」もおすすめです。

これらをゆっくり、二本立てで見たい気分ですラブラブ