冬休みが終わり、三学期が始まる。
始業式の前日。
『明日から学校行く』
娘がそう言った。
一学期の後半から、皆がいる教室には一度も入った事はない。
授業も個別で、一日に1~2時間程度しか受けていない。
娘は自分で直接教室に入り、最後まで過ごしてくると言う。
正直、娘の決意を聞いて、私は喜びよりも不安が大きかった。
お友達との関わり(トラブル)も解決したわけじゃない。
久しぶりに行って一緒に過ごすお友達はいるのだろうか……?
いきなり長時間を学校で過ごすなんて、大丈夫……?
余計な心配ばかりした。
始業式当日、朝の会が始まるギリギリの時間に学校へ送り、一人で学校に入っていく娘。
まるで、初めて保育園に子供を預けた時のような、緊張と不安と心配が混ざった複雑な気持ちになった。
あの子は大丈夫だろうか……??
見届けても、私は心配でしばらく学校から帰る事ができず、車中で待機。
30分経っても娘が戻って来る様子が無かったため、帰宅する事にした。
その後も特に学校から連絡が入る事もなく、無事学校を終え帰宅した娘。
私は聞きたい事がいっぱいだったが、ここは我慢。
娘の様子を伺いながら、
「大丈夫だった?」
と尋ねる。
「大丈夫だったよ。」
久しぶりに登校した娘をみて、一瞬クラスの皆の注目を浴びたようだが、それはすぐに落ち着き、いつも通りの空気感に戻ったという。
トラブルになったお友達とは、挨拶程度の会話は交わしたものの一緒に過ごす事はなく、以前放課後に個別授業をしてもらっている際に、偶然教室にやって来て気さくに声を掛けてくれたお友達と過ごした様子。
普通に学校生活を送れた事で、自信を取り戻し、その日から娘に更に笑顔が増えた。
娘にとって、とても緊張した一日。
不登校から学校社会への復帰。
大きな一歩。
苦しい不登校期間から解放された日となった。
その後も、順調に学校生活を送り、無事三学期を終え、娘は四年生になった。
四年生のクラス替えでは、再び不登校になるリスク回避の為、2年の頃から仲良しのお友達と同じクラスにしてもらえるよう先生にお願いし、ありがたい事に希望通りに配慮してくれた。
四年生は毎日元気に登校し、クラスのお友達とも仲良く過ごしていた。
放課後も遊ぶ約束をして、学校から帰宅後すぐに出かけていく日々を送り、元気な娘に戻った事が本当にとても嬉しかった。
四年生という一年間は順調で、あっという間に過ぎた。
そして、娘は五年生となる。
まさか、この一年が娘にとっても、私自身、そして家族皆にとって大きな意味のある一年になるとは思いもしなかった。
とてもとても苦しく、暗く長いトンネルに入る事になるとは気付く事もなく、これからも平穏な日々が続くと思っていた。