モノクロ写真って好きです。
写真は、見るのも取るのもとても好きで、カラー写真も、もちろん好きですが、モノクロ写真の静謐な雰囲気が好きです。
モノクロ写真って小説みたいな感じがします。
例えば風と共に去りぬなんか読んでスカーレットオハラってどんな感じの人かなあなんて想像しますよね。
どんな洋服を着て背は、高いのか低いのかなとか。
そんなちょっと、曖昧であれこれ想像を巡らせたりする世界。
カラー写真の方は、映画に近い世界じゃないのかなって気がする。
登場人物も背景も状況も、


具体的でよりリアルで。
もちろん、それだけにわかりやすいのだけれど、そしてそれは、楽しいのだけれど。
ただ、写真に関して言えば、モノクロの方が曖昧さの中に、その情景の中に漂っている匂いや空気が感じられて好きです。
ロベールドアノー、アジエ、カルティエブレッソン、ブラツサイなどなど。
街や人や景色、そして子供など。
そこに込められている思いや、感情、情景など、すべてのものが溢れ出していて、私を釘付けにさせてくれます。
実と、動けなくなって見ているときも、しばしばあります。
写真も、いろいろなことを想像する余地がありますよね。
そこから、動き出してしまうような。
それにしても、日常のすべての瞬間は、なんと儚く、なんとあっけなく消えていってしまうものでしょうか。
私は、今日も、モノクロ写真の不思議な魔法にかかって、その世界を堪能しています。
二度と来ないこの瞬間が、私には、切ないくらい愛おしく感じられます。
一瞬、一瞬を大切に生きたい、だからこそ、私は、写真を撮るのかもしれません。