終らせないと次が始まらないし、せっかく書けてるのでこっそり更新。
序章と1話と2話はこちら…
祝【シリーズ・ハートをつかめ】復活!
春のオープン戦でハートをつかめ・リターンズ①
春のオープン戦でハートをつかめ・リターンズ②
◆夜景と泡の幻想空間
恵比寿にやって来ました。
今日の勝利をカヴァで乾杯したあとメキシカンダイニングで飲みます。
デートと言えば夜景です。
店のテラス席からは恵比寿ガーデンプレイスの夜景が足元を暖める暖房に陽炎のように揺らめいています。

少しのお酒の力を借りれば、待ち合わせから神宮球場へのお散歩の時にした会話よりずっと踏み込んだ会話が弾みます。
5年の間の出来事、2年前の優勝の話、更に近況を話しつつ互いに牽制球を投げる中で、お互いがフリーであることを悟り合うのです。
これはイケる!
◆まさかの誘い
一通り食べて数杯のお酒を飲むと彼女の頬がほのかに染まり、夜景に照らされた目がとってもキレイ。

すると落ち着いたところで彼女が切り出します...。
『ね~?5月の松山、一緒に行かない?』
えっ!?
松山!?
一緒に!?
お泊まりってこと!?
声を裏返してはいけません。
同点で迎えた延長12回裏2アウト3塁のサヨナラのチャンスも、持ち駒を使い果たしたスワローズの打席にはピッチャー秋吉の場面。
引き分けでもいいか...と諦めかけたその時! 相手投手の投じた球はベースの前で大きく跳ねるワイルドピッチ! 三塁ランナーがハタケだって余裕で生還できる場面です!
彼女に気付かれないように生つばをゴクリと飲み込んで松山の光景を思い浮かべて見ましょう。
咄嗟に思い浮かぶのは...
松山→温泉→旅館→畳の部屋→並べて敷かれた布団→湯けむり立つ貸切り風呂...。
わおっ!
5年の月日が彼女を大人の女性にさせ、この日あなたが用意した素敵な野球デートと少しのお酒が彼女を大胆にさせたのです。
やりました!
駅に向かう途中、少し寄り道をして恵比寿ガーデンプレイスを散歩してると自然と彼女から腕を組んできました。

もう、ここで迷うことはありません。
ここまで彼女は精一杯のチームバッティングをしてきました。今度はあなたから起死回生の一撃を放つ時です。
勇気を出すことなく腕から優しく彼女の手をほどき、手を繋ぎましょう。
夜になるとまだ冷える三月、互いの手の温もりが互いの心をも温めてくれるはずです...。
少し歩いたところで立ち止まって覚悟を決めてただひたすらに彼女の唇を見つめると、彼女は目をウルウルとさせてあなたを見つめ、静かに瞼を閉じるのでありました。
もう一回言います。
やりましたね!
来週はいよいよ神宮球場でのオープン戦。
皆さま、健闘を祈る...。
※ 松山編はあるのか?ないのか?
※てかさ~…、こんな積極的な子なんていないよね? 初めて女の子とデートしてから何十年って経つけどこんな子に出会ったことないわ!(怒)