空間のあるじ
ミドリ(演・郷田いつ子)
イメージ 1
おおざっぱでもないあらすじ(飯島敏宏監督/山田正弘脚本)
カネゴンやカメと並ぶファンタジーエピとは思えない緊張の中でスタート。
深夜の工場を危険物運搬のトラックが出発する。
交差点を飛び出した車を急ブレーキで避けた運転手は中身を明かす。
いわく、濃縮ウラン。
荷台を確認すると、鎖で十字に吊られた濃縮ウランのカプセルは無事だった。
トラックは夜道をひた走る。
やがて朝を迎えた。
目的地の原発までもう少し、高原で休憩中、運転手と助手は帰路を相談する。
助手は気がはやるし、運転手は眼下の産業都市に感激する。
完成まであと1月、東京の大工場が産業都市に移転する。
それはそうと、こんな山奥に原発作ったら発電できません…冷却水なかったら発電機回らんよ。
いよいよ出発の段取りになって、助手が奇妙な花を持っていた。
その辺の藪で摘んだ竹の花だとか。
数十年に一度しか咲かない竹の花…運転手は知らず、助手は物珍しさで摘んでみた。
…そんな派手派手しい竹の花、本物には咲きません。
運転手は気味悪さを覚え、助手は言われるままに窓から捨てて出発。
やがて空は暗くなり、トラックの前に黄金の虹がかかる。
行く手の崖が崩落していた。
2人はトラックから逃げ出した。
だが、ただの山崩れにあらず、サブタイのバックに怪獣が山を割って現れた。
その花が咲けば災いのしるし…と石坂さんがさざめ竹を紹介する中、怪獣はトラックに迫る。
突然、熱線を吐き出すと、トラックは崖下に転がっていった。
炎上するトラックから濃縮ウランが転がり落ちていく。
一方、怪獣は元の穴倉に潜り込んでしまった。

一転して8人グループたんぽぽ団に話題は移る。
リーダーのピー子は口笛でみんなを整列させる。
今日の指令は、お婆ちゃんの大好きな筍探し。
今は夏、季節はずれの筍なんか見つかりっこない…と男の子は正論で愚痴る。
ピー子はたんぽぽ団の誓いを楯に有無を言わせない。
散開、行動開始。
…とは言いながらも、やっぱり目の届かないところでは自由人たちなわけで…。
お菓子食ってさぼったり、ちくる奴を買収したり…
本当に筍は見つかったものの、そばの蛙に腰を抜かしたり…。
そんな中、ピー子はささめ竹の花を見つけてしまった。
たんぽぽ団はお婆ちゃんを訪ねた。
一人ひとりにお褒めの言葉をかけていくお婆ちゃん。
だが、ピー子のチロル帽にささめ竹を見つける。
言い伝えを知っているお婆ちゃんは絶句する。
察したピー子は悪いことの前兆か問いかける。
お婆ちゃんは言いよどむが、ピー子は吉兆と早合点する。
お婆ちゃんは何の気なしに、竹の花と虹の卵があると、なんでも願い事が叶うと言ってしまう。
言い伝えと正反対の優しい嘘…まさか大事件に膨らもうとは。
大きなお菓子に騒ぎ立てる団員と反対に、ピー子はお婆ちゃんの足を見つめる。
若い時のように、お婆ちゃんに歩けるようになって欲しい…とピー子は呟く。
ちびの女の子は、早速乗ってきた。
虹の卵を見つけて願いをかなえよう。
お婆ちゃんが止める隙もなく、たんぽぽ団は飛び出してしまった。
歩けなくなったお婆ちゃんには、止めることはできなかった。
虹の卵とは実在しない卵。
美しい虹を見た者の心に宿るものなのに…。
お嫁さんは崖崩れのことをお婆ちゃんに告げる。
お婆ちゃんはささめ竹の正しい伝承どおり、凶兆を心配する。

さて、いつものトリオはヘリで崖崩れの取材に来ていた。
噴火口のような大規模な崩落に一平は感嘆する。
崖崩れに飲まれた2人は締切りまでに発見できそうにない…ユリ子は愚痴る。
一方、淳ちゃんは崖崩れの原因を気にする。
集中豪雨も地震もないのに…。
やがて手を振る運転手が見えた。
収容された2人は、ユリ子の独占取材の中で怪獣の話をする。
助手は目撃情報は豊富だが、発狂して笑い転げながらで信憑性が今ひとつ。
気が確かな運転手の方は、不意打ちの落石にやられて見ていない。
ユリ子はたまりかねて、一平に助手の相手を押し付ける。
まともに取り合うだけ損と考える一平は、助手が見たと話す金色の虹を聞き流す。
が、淳ちゃんは崖崩れとウランに関連があるように思えた。
そんな中、強い地震が病院を襲う。
大パニックの中、病室で耐えた3人は、地鳴りがやんだ直後、窓の外に金色の虹を見る。
…すみません…モノクロなので色がわかりません。
この虹はたんぽぽ団のちび男の子も目撃していた。
そうとは知らず、女の子たちは卵を産むといえば…養鶏所にきていた。
ちび男の子が養鶏所に駆けつけ、金色の虹を知らせる。
ならば、今から生まれるのが虹の卵だ。
ピー子はハスキー男の子に得意技の「卵を産ませるおまじない」を命じる。
恥ずかしがるものの、意を決しておまじない開始。
鶏みたいに羽ばたいて、咥えた指をぽんぽん抜く。
指も口の中もひりひりだが、その甲斐あって…雌鳥みんな産んじゃったよ。
拍手喝采・万々歳なのだが、どう見ても普通のLサイズの鶏卵です。
たんぽぽ団が厩舎を飛び出しても、金色の虹は消えていなかった。
たんぽぽ団は金色の虹を追う。

一方、ヘリに戻った淳ちゃんはパゴスのことを思い出す。
ギリシャのソフィストだの電気のいらない扇風機だのエジプト人だの、ユリ子はとんちんかん。
原子動物パゴスが北京郊外の地底から現れ、ウラン工場を襲った事件があった。
パゴスは原子破壊光線を吐くが、それが金色の虹に見えるという。
パゴスがウラン輸送車を襲ったとなればつじつまが合う。
北京でパゴス情報を流した糸魚川博士がまもなく原発に着くというから、3人は動き出す。
そのヘリにたんぽぽ団が気づいて初コンタクト。
ユリ子はピー子のささめ竹に気づく。
たんぽぽ団は虹の卵を探していることを明かす。
伝承と正反対、ユリ子は嘘と見抜くが、お婆ちゃんを信じるピー子には伝わらない。
ピー子は嘘と大根の煮たのとカマキリがきらいなんだそうな。
嘘はともかく、ほかの2つは田舎の宿命です。
…大人になるとおでん大根や風呂吹き大根がおいしくなるよ。
淳ちゃんもささめ竹の話は知っている…天明の大飢饉・応仁の乱・WW1…。
今度はパゴス…くわばらくわばら。
そうとは知らないたんぽぽ団は黄金の虹を目指す。
男の子2人は腹痛の仮病を使ってトンズラこく。
ピー子は騙せても、チビは騙せなかった…お菓子で買収。

さて、こちらは原発。
糸魚川博士はパゴスと断定した。
原子炉を死守するために、ネオニュートロンミサイルが届けられることになっている。
そうとは知らず、たんぽぽ団は虹が止まった草原に散る。
藪を払うと雉がケーンと飛び出す。
悲鳴を上げると同時に、パゴスが地表に飛び出した。
たんぽぽ団は散り散りに逃げ出す。
だが、ピー子だけはハスキー坊主のズボンを引っ張って逃がさない。
ピー子たちなど眼中になく、パゴスは原発めがけて歩き出す。
が、足を取られて滑り落ちる。
そんな衝撃のせいか、ピー子は転げ落ちたカプセルを発見した。
ピー子はハスキー坊主を促すが、物怖じして埒が明かない。
パゴスは適当に光線を吐き出した。
ますます怯えるハスキー坊主に見切りをつけ、ピー子は一人で卵に向かう。
ピー子は鎖を取って卵を引きはじめるが、パゴスが目前に近づいていた。
パゴスに気をつけながら引くうちに、ようやく卵は動き出す。
近寄るパゴスに気を取られるうちに、卵は転がって穴ぼこに落ちる。
ピー子も穴ぼこに飛び込んで、パゴスが通り過ぎるのを待つ。
穴ぼこの縁にパゴスの爪がかかる。
崩れる土くれを浴びながら、ピー子はお婆ちゃんに助けを求める。
願いは叶った…パゴスは穴ぼこをすり抜けて行ってしまった。

ネオニュートロンミサイル2発が産業都市の目前に迫る。
だが、パゴスはすでに都市へ侵入していた。
原発めざし、障害になる建物を踏み潰していく。
さらに光線で、前方の建物を焼き払う。
産業都市の中心地が更地に戻ってしまった。
原発の目前にパゴスが迫ったころ、ようやくネオニュートロンミサイルが到着した。
所長は早い決着を望む。
このミサイルはパゴスの体組織を一瞬で風化させる。
だが、どこに転がっているかわからないウランカプセルが誘爆したら…。
しかも、ピー子が現場に残っているとたんぽぽ団が知らせに来た。
ハスキー坊主は虹の卵をピー子が持っていることも伝える。
一平もユリ子もカプセルだと気づいた。
淳ちゃんはピー子の所在地をヘリでポイントすることにした。
ピー子は別件でヘリに手を振っていた。
谷間に入っているので、爆風の直撃はない。
パゴスから1500mの距離と通報、糸魚川博士は攻撃可能と判断した。
立ち上がったパゴスに向けて2発発射。
パゴスの頭上で炸裂したミサイルは、ネオニュートロンの粒子をばら撒く。
粒子を浴びたパゴスは、硬直して砕け散った。
昼間の闇も金色の虹も掻き消えた。


たんぽぽ団はお婆ちゃんの車椅子を押す。
ピー子は卵を引き続け、車椅子の間近に来た。
駆けつけた3人はカプセルを取り上げようとする。
ピー子は猛然と3人を払いのけ、卵を取り返す。
ピー子の剣幕に3人とも呆然とする中、車椅子が到着した。
ピー子を見届けたお婆ちゃんは、思わず立ち上がる。
お婆ちゃんが立った…ピー子は絶句する。
お婆ちゃんが一歩一歩、ピー子に歩み寄る。
ピー子はお婆ちゃんに駆け寄って抱きしめた。
たんぽぽ団は飛び上がって歓喜する。
カプセルは本当に虹の卵になったのだ。

空間の詳細
ラストシーンで空間発動。お婆ちゃんが立ち上がって歩き終えたところ、団員全員で万歳万歳しているカットで、ジャンプ3連発の一発目でスカートがふわっと広がって、恥ずかしい逆三角形が一瞬現れる。ピー子とお婆ちゃんがセンターなのはいいが、2人の陰に隠れて見えない団員が多すぎる。ミドリの白いものも、ピー子とお婆ちゃんの隙間から何とか覗ける感じ。

イメージ 2
あるじのその他の分布地
・快獣ブースカ#12「ブースカと七人の魔術師」(1966年)
あらあら、たんぽぽ団のチビちゃんがミー子中原純子なので、2度競演してたのね。