空間のあるじ
かなえ(演・下野照美)
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おおざっぱでもないあらすじ(深沢清澄監督/田口成光脚本)
セブンや新マンならよくある話だが、明るく楽しいタロウの中では珍しく、メモールとともに救いのない異色作。
警邏中の警官は、捨子塚のある寺で赤ちゃんの泣き声を聞いた。寺に入った警官は2人とも全身の血液を失って死んでいた。同様の「吸血鬼殺人事件」が7回続いた。警察はZATに応援を頼み、ZATは捨子塚付近を捜索する。北島、思いっきり関係者とブツにニアミス…。光太郎は荒垣副隊長と一緒に捜索するが、何も痕跡は見当たらなかった。光太郎は花を抱えて道を渡る少女かなえと出くわした。往来する車を意に介さず渡ろうとするかなえを抱え上げ、トラックから救った。家を尋ねると、あっちにこっちにと気まぐれに変わる。歩き疲れたかなえを背負って光太郎は行く。かなえは延々と剪定鋏を鳴らし続けている。「チョキチョキはよしてくれないか」どころか、転んだら大惨事なんだが…。やがて、かなえはよりによって白鳥家を指す。光太郎は途方に暮れた。そこに森山が訪ねてくる。さおりが大学の合宿で留守にしている間、光太郎と健一の2人だけで壮絶なことになっていたらしい。思いっきり公私混同で森山は白鳥家にお泊りにやってきた…にもかかわらず進展しない光太郎と森山っていったい…。
森山はかなえを見知っていた。去年のクリスマス、ZATに招待した孤児院の捨て子だった。健一と打ち解けた(?)かなえを尻目に、光太郎は施設に問い合わせた。2ヶ月前に富豪の岩坪家に里子に出されたという。かなえは健一に花をプレゼントして別れた。岩坪家にかなえを送り届けた光太郎は、養母の居丈高な物言いに圧倒される。かなえは家でも口をきかないらしい。それは心を開けないからだよ。自閉症になったら大変だと岩坪女史は言う。あんた緘黙と自閉は別物だよ。いずれにせよ、光太郎は愛情のかけらも見出せなかった。ZATに戻って光太郎は愚痴る。子供を捨てる母親に憤る南原や上野、捨てざるを得ない状況を想像して同情する森山…健一は「親はなくとも子は育つ」と森山の愚痴を切り返す。
その夜、捨子塚の蔦が白鳥家に伸びてきた。侵入した蔦は、健一がもらった花と合体して森山を目指す。蔦にのしかかられ、花に顔を照らされて目覚めた森山は、手に届く得物で応戦しながら健一を起こす。襖をふさぐが、蔦は襖を突き破って突入してくる。部屋の隅に追い詰められた2人は布団を盾に抵抗するが剥ぎ取られる。目前まで蔦が迫るが、ずっと根っこのほうで思わぬ救いが入る。酔っ払いのおっちゃん達が、進路をふさぐ蔦を引きちぎったのだ。森山を目前にして蔦は力尽き、花から血を滴らせて止まった…ということで、エース美川さん恒例の萌えるヒロピンを森山に期待した面々、がっくし…。でも心地よい悲鳴でしたよ、と。
森山はさっそくZATに現物を届ける。かなえが持っていた花だと気づいた光太郎は、岩坪家に花の自生地を問い合わせる。が、岩坪女史はけんもほろろに電話を切った。深夜に起こされて不機嫌な岩坪女史、起きてきたかなえから花を奪い取って捨てた。一晩かかった解析の結果、吸血植物であることが判明した。「どこかで見たことあるような…いや、気のせいかも…」と北島。まあ、この人の物言いっていつもこんなへにゃへにゃなので…。となると、花のことを知っているのはかなえしかいない。かなえが正体を知らず、花に襲われたら大変なことになる。光太郎は再び岩坪家に電話する。しかし蔦の方が早かった。胡散臭いダイエットマシーンの代表格スタイリー中の岩坪女史は電話に気づいたが、電話の向こうから蔦が飛びついてきた。一瞬にして昭和の徒花が半世紀の伝統芸能007サンダーボールの拷問機具に変化した。動かなくなった岩坪女史の耳におしべが伸び…一部始終を窓の外からかなえが見ていた。光太郎は岩坪家に急行した。道すがら、花を配っているかなえに出くわす。光太郎は人々に花を捨てさせ、かなえから花を奪い取って踏みにじった。かなえは花の正体を知っていながら配っていることを光太郎は確信する。花のありかを問い詰める光太郎だが、かなえは睨み返すだけで答えようとはしなかった。
ようやく花のありかを思い出した北島が追いつき、捨子塚に向かった。土葬された捨子の亡骸を食い尽くし、地上の人も襲うようになったと考えた。2人は伐採に取り掛かる。光太郎は怒りに満ちたかなえの視線に気づいた。「お兄ちゃんの馬鹿」と叫び、かなえは駆け去った。作業再開、しかし蔦は新たに生えてくる。2人は根から引っこ抜こうと引っ張った。しかしそれは蔦怪獣バサラの体毛だった。バサラは全身を地上に現した。2人はバサラを銃撃するが、北島は蔦に巻かれて気絶する。ホエールも飛来して攻撃、一度はバサラを倒すが、バサラは蔦を伸ばしてホエールを締め上げて撃墜する。光太郎はタロウに変身、ストリウム光線を放つ。読経の中、捨子塚が崩れ、バサラの最後の光線で寺院が全焼する。このシーンは何を象徴するのか、視聴者はいろいろと思い巡らし続けている。
かなえは再び施設に戻ったという。花を母と思って慕っていたと想像する森山やさおりに対して、光太郎は逆に、母や世の中を恨んでいたのではないかと考えた。その頃、かなえは剪定鋏を鳴らしながら、またひとりさまよっていた。


空間の詳細
2度発動する。1度目は救出シーンで、トラックの目前で光太郎が抱え上げたカットを逆さ撮りで見上げているので、スカートの中が丸見えになっている。道に飛び出してかなえを抱き上げて戻ってくるという激しい動きの中なので、発動時間はほんの一瞬。2度目は白鳥家の前で、光太郎におんぶされた状態でスカートが風に煽られて、白いものが丸出しになっている。それにしてもウエスト細いな、この子…顔はタイプじゃないけれども。
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フルスクリーンだとこんなサイズの空間。
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あるじのその他の分布地
ウルトラマンA#38「復活! ウルトラの父」(1972年)
仮面ライダーV3#41「あッ! 人間が溶ける! ヨロイ元帥登場」(1973年)
ウルトラマンタロウ#39「ウルトラ父子餅つき大作戦!」(1973年) 11話とは違う役。
仮面ライダーX#9「Xライダー必殺大特訓」・#10「GOD秘密警察! アポロガイスト!!」(1974年)
・仮面ライダーアマゾン#12「見た! ゲドンの獣人改造室!!」(1975年)