嫌な予感はジュンの一言から始まった。
「海が、海が静かすぎるよね」
なんだそのナウシカに出てくる大ババ様の
「風が止まった」的なセリフは。
静だろうが風が止まろうが、
もう大島まで来ちまったんだからやることは1つやろが！
そう、釣りに行く日を、
中潮で夜の7時半満潮という絶好の今日に決め打ちしたのだ。
ただ、出る前に釣りごろ釣られごろの釣りごろチェック見たら
「豆アジが釣れてます」
え？豆アジ？
豆アジ情報いるか？
他にどこも釣れてないのか？
不安を覚えながらも出発。
昨今の防波堤パリピ状態から考えて昼の2時過ぎには着いて
チョイ投げでキスでも狙いながら
カープvsドラゴンズをスマホ観戦
が
キスどころか
フグもチビコチもチャリコすら釣れず
エサがそのまま返ってくる始末。
しかもドラ涌井の前に
10安打しながら無得点
ジュンの怒り頂点に！
「ノーアウト3塁で点が入らんてあり得んじゃろ！ころがしゃあ1点入るのに難しい球打ち上げてからホンマ、何べん満塁になったと･･･割愛」
不満ブチマケつつも、さて、そろそろ本腰入れますか。
二本流しを打ちながらアジが回ってくるのを待つ。
いつも爆風に悩まされ、電気ウキがウネリにもみくちゃにされる場所なのに
今日は風もなく、波も穏やか。
電気ウキが静かに右から左に流されていくのを見ながらジュンがボソッと言ったのだ。
「静かすぎる」
たしかに昼間から魚の気配が無い。
アジも回ってくる気配が無い。
もう悪い予感しかしない！
まさに「風が止まった」状態。
確かに不気味だ
不気味な状態のまま暗くなってきた。
もう回ってこなきゃいけない時間帯なのに
相変わらずハゲもフグもスズメダイもネンブツダイも釣れない。
そんな中、
「これ、持って帰る？」
暗闇の中ワームでメバル狙ってたジュン
手にはそこそこのカサゴ。
「う～ん、リリースかな」
我が家ルールでキーパーは20センチ以上。
またすぐに
「コレ、さっきよりデカい」
連発。
もうちょいか
また「これはいったでしょ」
20センチジャスト！
さらに22センチと20センチ。
何で釣れるんや！
こっちはウキがピクリとも沈まないわ！
ダメだ、いいかげんあきらめて場所移動。
人気漁港に行くと意外にも人が少ないうえに
そこそこのメバルがライズ！
稚美魚シラスを投げて
放置
ククッ
きたぁ！
いいサイズだけどノンキー
まだライズしてる。
再び投げて
放置
コンッ
きたぁぁ！
さっきよりデカい。
キーパーゲット！
ここからノンキーラッシュ
ライズもなくなり、
でも粘っちゃって
AM１時 終了。
結局釣りごろチェックの豆アジすら釣れず･･･
いや～
久しぶりに不食不休で釣りしたわ。
帰り道、ハラ減りすぎてセブンで牛丼かっ食らい
これまた久しぶりに睡魔と戦いながら帰宅
そして海が静かすぎた理由は
大地を埋め尽くす王蟲の怒りではなく
ジュンの怒りが瀬戸内海を埋め尽くしたのでした。
