俺がカイに謝る時のセリフ
「悪いな・・・一般受けしないことばかりさせて」
あまりにもスットコドッコイなことばかりしてるせいだな。
回りの人達とかみ合わないことが多々あるみたい。
ソフトボールの練習が終わると、ダッシュで中学校へ行き部活。
終わったら着替えて流川の小料理屋へ。
前の会社の仲間たちが、4月から寮に入るカイの激励会を開いてくれた。
老若男女総勢30人。
しかも、このクソ忙しい時期にもかかわらず、店を貸し切り!
良く考えたら、カイがまだ歩けない頃からの付き合い。
タプンタプンのオムツでヒョコヒョコ歩いてた頃、
フルチンで太田川の河川敷を走り回ってた頃、
坊主頭で真っ黒になり野球をやってた頃、
反抗期、陸上に目覚め、宮崎へ行き、成長して戻ってきた・・・
そのすべてを知っている仲間たち。
みんな、俺が育てた!って本気で思ってるアホな大人たち。
でも、反抗期の時なんか親のいうことはきかなくても、他の大人の言うことは聞くもんだ。
やんちゃな「悪い」ことはしても「卑怯」にならなかったのは、みんなのお陰だと思う。
だって、10人くらいから説教されると思ったらできないべ。
特にカイは子供達の中でも一番上だったから、面倒見てたし頼られてたようだ。
子供達は、彼らの中でちゃんとしたルールがありコミュニティーができあがっている。
酒が入ったら先輩も年上も関係なくなるおっさん達とは大違いだ。
そんなタチの悪いおっさん達におばちゃんたちも加わり、今日もからまれてる。
「辛いことがあっても絶対やめるなよ!」
「箱根に出たら自慢するからな!」
「カイ!なんで野球やめたんだよ!」
「寮に入ったら彼女とはどうなんの?別れるの?続けるの?」
今日は特にヒドイな・・・
我慢しな、愛されてる証拠だよ。
大好物の伊勢海老を出してもらい、みんなからプレゼントももらい、
最後は、カイの5分以上にも及ぶアドリブの挨拶で幕を閉じた。
まったく、流川の小料理屋貸し切って激励会って、オリンピック選手かよ!
次の日、高校の部活に参加するため中学校の先生に車で連れて行ってもらった。
その車中の会話で・・・
「昨日は早く寝たのか?」
「いえ・・・流川の小料理屋で激励会を・・・」
「はぁ????」
カイ、悪いな・・・最後の最後まで一般受けしないことさせて。