川瀬巴水展覧会の件で
度々ブログにアップしている
大田区の施設

企画展の形で
作家の展覧会が行われますが

常設展示もあります

大田区にゆかりのある…

作家について

大田区で有名な海苔について

わら細工について

町工場について

羽田国際空港の歴史…

様々な展示がされています

今まで気づかなかったのですが
隅に置かれたクリアファイルが2冊

昭和18年
戦時中のある町会の回覧板

もちろんコピーなのですが

一年分が綴じられていて閲覧出来るのです

東京市からのお知らせもあります

これは自宅の中の避難スペースの作り方

物資に乏しかった時期ですから

ご婦人用の標準服の作り方の講習

足袋・スリッパなどの講習もあったようです

配給に関するお知らせも多数あるのですが

配給のたびにひと家族に一人出向いていると
それだけで大変ということで

この日はお豆腐のお当番についてのお知らせが

町内の配給37丁を一人で運ぶのは無理でしょうから

3人で担当する事にしてはいかがでしょうか？と書かれています

そして
ある日の回覧板には三つのお知らせが

ひとつめは
徴用令が来た方を
大森駅まで見送りに参りませんか？

ふたつめは
「りんご袋に就て」とあります

新聞紙一枚を八つに切り2辺を糊付けして

りんご産地で使う保護用の袋として送り

りんごの出荷が促進出来るように
作りませんか？

みっつめは

（後日、再度のお知らせとして回覧されたものですが）

鳥取地方の震災地へ寄贈するため
足袋一足、靴下一足でも宜しいので
お持ち下さいと書かれていました

物資に乏しかったこの時期…

家族を守ることだけでも大変だったでしょうに

それでも
協力しあい
人を思いやることも忘れない

とにかく今できることを精一杯…

暗闇に落ち込みそうな心にも
温かい灯火を
ともして生きている

それをしているのは
なにも特別な人ではなく

お隣の…はす向かいの
お父さんお母さん達だったのだ

当時の生活や
お気持ちを思うと
胸がいっぱいになり

しばらくその場を離れられなくなった
私だったのです

コピーとはいえ
きちんと保存されていたことがよくわかる資料で

ご提供された方の
責任感の強さも感じられました

私にとってとても貴重な体験となりました

大田区立郷土博物館の回覧板