昨日、

主人と雑談中、

話の途中で急に思い出したように

 

『薬局のおっちゃんは倖せな最期やったと思うわ』

 

と感慨深げに言った主人。

 

 

 

主人は就職のために来阪して数十年、

大阪 中の島界隈と呼ばれている地域で働いています。

 

毎朝6時30分頃家を出て、通勤時間は徒歩と電車で片道一時間半くらいでしょうか。

家族のために本当にありがとうございます(__)ペコリ

 

そんな主人が結婚当初からよく話題にする

『薬局のおっちゃん』のお話です。

 

 

中の島界隈と言っても広いのですが、

その一角にある主人の会社の近くに小さな薬局があり、

そこには1人のおじさん薬剤師さんがいて

奥様は少し奥のコーナーで化粧品を販売していました。

主人は若い頃から薬が必要になるとその店に足を運び

おっちゃんといつも他愛もない話をして笑っていたそうです。

 

結婚してからは薬は私が家の近くで購入する様になったのであまり行く必要は無くなったのですが、

それでも月に何回かは薬局に足を運び栄養ドリンクを飲んだりしていました。

 

『ちよっとだけでも売上に貢献したらなあかん。

おっちゃんの薬局が無くなったら困る』 

 

とか言ってました(笑)

 

たまに、家の近くの薬局で買うより安かったり、

手に入りにくかったりする物があるときは

 

『薬局のおっちゃんとこに行ってこうて(買って)くるわ』

 

そう言って昼休みに行き、買って来てくれました。

いつも雑談と同時に色々アドバイスをくれて親切にしてくれました。

風邪薬を買った時は

『これも一緒に飲んどき』

と言って試供品の栄養剤をくれたり、

『今すぐ飲んどき』

と言って奥からコップに入れた水を持ってきてくれたり、

コロナ禍で消毒液が手に入りにくい状況時は急場しのぎにと自分で作った消毒液を分けてくれたり

(おそらく次亜塩素酸水と思われるが主人も詳しくは聞かなかったので詳細は不明)

マスクを作るためのガーゼ生地を少しでもとーー 

手に入れてくれたり、

そして

ごくごくたまにですが、

使用期限の切れた薬やバンドエイドをくれたり(笑)

しかもその薬類は1年とか2年使用期限の切れたもの( ̄m ̄〃)ぷぷっ!

 

それは酷い!!!

 

と思いますか?

 

いえいえ 大丈夫です♡

瘦せても枯れても薬局のおっちゃんですよ♡

正真正銘の薬剤師さんです。

しかもかなりのベテランさんです。

ダメな物を他人にくれたりは絶対しません。

 

私は前々から内科の医師に薬は3年位は大丈夫だと直接聞いた事があります。

(もちろん薬品によるし出来れば使わない方がいい事は理解しています)

 

でも、可愛いじゃないですかニコニコ

普通の顧客さんにはそんなこと絶対しませんよね。

長い付き合いなので、

身内のように主人の事を見てくれているのだと思うとありがたいし嬉しいです♡(__)
そんな感じで、

主人とおっちゃんは店主と顧客というよりもう少し親しい関係でした。

友達以上恋人未満

ってやつですかね( ̄m ̄〃)ぷぷっ!(笑)

 

 

 

月日は流れ、

否応なく時代は変わってきました。

パソコンが普及すると、

主人の会社はそれまで全部の事務用品を会社近くの文房具店で買っていたのに

ネットで注文出来る大手のお店に変えてしまい、

(前のお店には会社の事務員さんが出向き購入していましたがネットでは価格が安く配達もしてもらえるから)

もちろん、そのせいだけではないでしょうが、

小さなその文房具店は程なくして閉店してしまいました。

 

 

 

仕事の打ち合わせも、昔はお互いの会社を訪問したり喫茶店で

(カフェではなくあえて喫茶店と書きます)

実際顔を見合わせてしていたのに、今ではパソコンのメールで済ませてしまい

相手の顔も知らないで終わる事もあるそうです。

 

時代は変わったーーー

と言ってしまえばそれまででしょうね。

ランチ後、皆で連れ立って行っていた昼休みの喫茶店にも、

無料で飲める自販機を社内に設置した会社が増えたからなのか、

近辺にあった喫茶店も次々と閉店してしまいました。

 

 

 

変わってゆく街並み。

それにつれて変わりゆく生活、人々。

他人との距離はますます遠くなり、

他者は信じられなくもなり、

ご縁もなかなか結べない今という時代。

 

淋しいと感じるのは私の様な年寄りだけなんですかね。

他人との繋がりが希薄になったことで

家族がいてくれて話せる相手がいることはとても倖せだとしみじみ感じます。

このような時代の中で、

薬局のおっちゃんと主人の様な関係が続いている事は

『いいなぁ、素敵だな♡』

と思います。

 

 

そんなおっちゃんの薬局が閉店したのは昨年の暮れでした。

90歳という年齢を迎えて体力的にキツくなったからだとか。

それからは

閉店はしたもののお店は残っており、

ほぼほぼ空っぽになったショーケースの後ろに椅子を置いて座り

シャッターを半分程開けて通りを眺めていたおっちゃん。

 

閉店前と変わらずに顔を見ては立ち寄ってくれる主人のようなお馴染みさんに

栄養ドリンクを1本100円で売ってくれたそう。

その商品はお店で仕入れた物ではなく、

自分がお金を出して何処かのお店で買って来たものでした。

 

おっちゃん、隠居しなかったのね。

おっちゃんにとって薬局は心のよりどころであり、

戦友みたいなもので生きがいだったのでしょう。

 

 

 

4月に入った頃、主人が少し心配そうに

 

『ここ何日か薬局のおっちゃんとこシヤッター閉ってて開いてへんねん。

何処か具合でも悪いんかなぁ……』

 

 

そんなふうに心配した様子で話した数日後に、

 

 

『今日薬局のおっちゃんとこの前通ったら

シヤッターちよっと開いてたから覗いてみたんや。

ほんなら、

おっちゃんはおれへんかったけど奥さんがおったから

入っていって聞いてみたら

おっちゃん亡くなったんやて……』

 

 

 

不安は的中。

主人は淋しそう。

私だって凄く淋しい。

私はおっちゃんに会った事もないし、薬局の場所さえ知らない。

でも、もう何十年も主人から薬局のおっちゃんの話は聞かされていて

親近感を持ち、勝手に身内のような感覚になっていたから。

 

 

その日もおっちゃんは

いつものようにほぼほぼ空っぽのショーケースの後ろの椅子に腰かけて

いつものように通りを眺めるような恰好でケースの上にうつぶせて

まるで居眠りでもしているように安らかな顔で亡くなっていたそうです。

 

 

長い年月自分の薬局を最後まで守り抜いたおっちゃん。

 

 

『おっちゃんは本当に倖せな逝き方したな。

薬局のおっちゃん冥利につきるな。

倖せな最期やったと思うわ』

 

と感慨深げに言った主人。

 

 

私もそう思います。

おっちゃん、

長い間お世話になり本当にありがとうございました

貴方の事は忘れません。

私たち夫婦の様に

こうして時折思い出して話をする人達が必ず他にもいると思います。

今でも、話すとほっこり倖せな気持ちになります。

おっちゃんは私達の心に残る倖せの種を蒔いてくれましたね♡

 

 

何か月も過ぎてしまったけれど、

今更ですが、

ここで

謹んで薬局のおっちゃんのご冥福をお心より祈り申し上げますクローバー

ありがとうございました。

 

 

 

 

 

 

それでは本日はこの辺でー

最後までお話を聞いて下さってありがとうございました(❁´◡`❁)

 

 

今日も元気出して生きまっしょい!!!