ワタシの弟は、小さいころ体が弱かった。
母はそんな弟と病気をしないワタシを比較し「お姉ちゃんは体力あるから」と
ことあるごとにワタシの体力を褒めた。
母は、病気に対する抵抗力があるという意味で「体力」を使ったのだろう。
運動神経がいいわけではない。
二十歳のときの体力検査で持久力が5段階で「1」だったけど、
「持久力はないけど、体力はある」と、体力への自信は揺るがなかった。
母親の発言によって、何の根拠もないのに「ワタシ、体力、アル・・・」と
幼少期より少しずつ洗脳されてきたのだろう。
冷静に考えれば、長時間走っている人、長時間泳いでいる人など
一般的に使われる身体能力の「体力」は、持久力を指していることが多い気がする。
自分に持久力がないことは前から自覚していた。
「体力」の定義を考えないまま、ただ漠然と「体力ある」と思って生きてきた。
よくよく考えると、ワタシ全然体力ないのでは・・・
(よくよく考えなくても全然ない)
でも、司馬台当時「ワタシ体力アリマス」という洗脳は解けていなかった。
ロープウェイ降り場から長城へ続く石の階段をゆっくり登る。
少し登ったあたりで、yukiさんに栄養ドリンクをもらい景色を見ながら気合をいれる。
場所は山の中腹、断崖絶壁ではないけど、気分はファイト一発だ!
でも、気合むなしく10分ぐらい歩いたらなんか疲れた・・・
ワタシ「今、つかれた度、10段階でいくつですか?」
yukiさん「3、4ぐらいかな?」
ワタシ「ちなみにワタシは6です。あっ、今、7に上がりました。」
真実ではあるけど、笑って話せる余裕がまだある。
でも、確実に疲れが積もっており、爆発するヤな予感がする。
いつもなら、一緒にいる人の歩みを止めるのは嫌なので
極力頑張ってペースを守るのだけど、今回は無理だ。
休憩しないと登り切れない気がする。
ワタシ「ひゃー無理だ・・・あそこで休憩していいですか?」
yukiさんは、友人というより、もはや「山の先達さん」状態だ。
ワタシは、老人より遅いんじゃないの?って牛歩ペースで、
小刻みに休憩を取りつつ、ゼーゼー言いながら登る。
お日様もカンカン照りで暑い・・・頭がじわじわ痛い。
こんな状況の中「無理だー!ヤバイー!!」とうるさく登っていると、
中国人のおじさんが近づいてくる。
布の手さげかばんの中から司馬台の本を取り出し、yukiさんに見せている。
すかさずワタシは休憩する。
司馬台Tシャツ、デカイ扇子、長城の本、ポストカード・・・
おじさんは、なにやら土産物売りらしい。
yukiさんに買う気がないことを察すると、商売の矛先はワタシへ向く。
体力の限界間近の極限状態なワタシに、優しくおじさんの相手をする余裕はない。
本を見せられ「あぁ、キレイですね~、へぇ~」と適当なことを言いつつ
体力を少しでも回復させるべく休息に努める。
ワタシの疲労に気づいたおじさんは、デカイ売り物の扇子でワタシを扇ぐ。
ワタシ「じゃ、そろそろ行きましょう!」
重い腰を上げ、続きを登る。
なぜか、土産物売りのおじさんもついてくる。
休憩をハンパなく挟んでもらっているし、
すごくゆっくり歩いてもらっているし、
土産物売りのおじさんに扇子で扇いでもらっているのに、
めちゃめちゃしんどい。ありえない。
頭が痛い。心臓が壊れるーってほど、動悸が激しい。
このまま歩いたら死ぬかもしれない・・・って、フとよぎるぐらい
かつて味わったことのない限界を感じた。
長城が見えたとき、すごくうれしいはずなのに喜ぶ余裕はない。
最後はおじさんだったか、yukiさんだったかに手をとってもらい
引っぱっられつつ長城到着。
長城到着の感動も少なめに、
土産物売りたちの溜まり場となっている日陰の角に座り込む。
もう無理だ。一歩も歩けない。
長城を歩くつもりだったのに、着いた途端、景色も見ずに角に転がる。
他の観光客は、そこから長城を歩き、更なる階段を登っていくけど、
ワタシは、これ以上階段を登ったら絶対死ぬ。
念願の長城にやっと着いたのに、悲しいことにスタート地点で
ワタシは虫の息だ。
ワタシ「yukiさん、ワタシはここにいるんで、ワタシの分まで見てきて」
ワタシの休息にyukiさんを付き合わせるわけにはいかない。
デジカメをyukiさんに託すと、yukiさんは急な階段を軽快に登り
長城の奥へ消えていった。
すごい・・・ワタシも体力あるはずなんだけどなぁ。おかしいなぁ・・・
(ここでようやく自分の体力に疑問を抱く)
靴下を脱ぎ、水を飲み、角で寝っ転がる・・・
人目なんか気にしちゃいられない。
さっさと回復したいので、ものすごく安静にしていると
土産物売りのおじさんが売り物の扇子でワタシを扇ぎはじめた。
ワタシ「謝謝。(ニコリ)」
おじさんの風に癒されつつ、ボーっと景色を見る。
いい人だなぁ。
3分後・・・
おじさん「扇子買わない??本はどう??」
お願いだから今はマジでやめてくれ。
どっと疲れるわ・・・
母はそんな弟と病気をしないワタシを比較し「お姉ちゃんは体力あるから」と
ことあるごとにワタシの体力を褒めた。
母は、病気に対する抵抗力があるという意味で「体力」を使ったのだろう。
運動神経がいいわけではない。
二十歳のときの体力検査で持久力が5段階で「1」だったけど、
「持久力はないけど、体力はある」と、体力への自信は揺るがなかった。
母親の発言によって、何の根拠もないのに「ワタシ、体力、アル・・・」と
幼少期より少しずつ洗脳されてきたのだろう。
冷静に考えれば、長時間走っている人、長時間泳いでいる人など
一般的に使われる身体能力の「体力」は、持久力を指していることが多い気がする。
自分に持久力がないことは前から自覚していた。
「体力」の定義を考えないまま、ただ漠然と「体力ある」と思って生きてきた。
よくよく考えると、ワタシ全然体力ないのでは・・・
(よくよく考えなくても全然ない)
でも、司馬台当時「ワタシ体力アリマス」という洗脳は解けていなかった。
ロープウェイ降り場から長城へ続く石の階段をゆっくり登る。
少し登ったあたりで、yukiさんに栄養ドリンクをもらい景色を見ながら気合をいれる。
場所は山の中腹、断崖絶壁ではないけど、気分はファイト一発だ!
でも、気合むなしく10分ぐらい歩いたらなんか疲れた・・・
ワタシ「今、つかれた度、10段階でいくつですか?」
yukiさん「3、4ぐらいかな?」
ワタシ「ちなみにワタシは6です。あっ、今、7に上がりました。」
真実ではあるけど、笑って話せる余裕がまだある。
でも、確実に疲れが積もっており、爆発するヤな予感がする。
いつもなら、一緒にいる人の歩みを止めるのは嫌なので
極力頑張ってペースを守るのだけど、今回は無理だ。
休憩しないと登り切れない気がする。
ワタシ「ひゃー無理だ・・・あそこで休憩していいですか?」
yukiさんは、友人というより、もはや「山の先達さん」状態だ。
ワタシは、老人より遅いんじゃないの?って牛歩ペースで、
小刻みに休憩を取りつつ、ゼーゼー言いながら登る。
お日様もカンカン照りで暑い・・・頭がじわじわ痛い。
こんな状況の中「無理だー!ヤバイー!!」とうるさく登っていると、
中国人のおじさんが近づいてくる。
布の手さげかばんの中から司馬台の本を取り出し、yukiさんに見せている。
すかさずワタシは休憩する。
司馬台Tシャツ、デカイ扇子、長城の本、ポストカード・・・
おじさんは、なにやら土産物売りらしい。
yukiさんに買う気がないことを察すると、商売の矛先はワタシへ向く。
体力の限界間近の極限状態なワタシに、優しくおじさんの相手をする余裕はない。
本を見せられ「あぁ、キレイですね~、へぇ~」と適当なことを言いつつ
体力を少しでも回復させるべく休息に努める。
ワタシの疲労に気づいたおじさんは、デカイ売り物の扇子でワタシを扇ぐ。
ワタシ「じゃ、そろそろ行きましょう!」
重い腰を上げ、続きを登る。
なぜか、土産物売りのおじさんもついてくる。
休憩をハンパなく挟んでもらっているし、
すごくゆっくり歩いてもらっているし、
土産物売りのおじさんに扇子で扇いでもらっているのに、
めちゃめちゃしんどい。ありえない。
頭が痛い。心臓が壊れるーってほど、動悸が激しい。
このまま歩いたら死ぬかもしれない・・・って、フとよぎるぐらい
かつて味わったことのない限界を感じた。
長城が見えたとき、すごくうれしいはずなのに喜ぶ余裕はない。
最後はおじさんだったか、yukiさんだったかに手をとってもらい
引っぱっられつつ長城到着。
長城到着の感動も少なめに、
土産物売りたちの溜まり場となっている日陰の角に座り込む。
もう無理だ。一歩も歩けない。
長城を歩くつもりだったのに、着いた途端、景色も見ずに角に転がる。
他の観光客は、そこから長城を歩き、更なる階段を登っていくけど、
ワタシは、これ以上階段を登ったら絶対死ぬ。
念願の長城にやっと着いたのに、悲しいことにスタート地点で
ワタシは虫の息だ。
ワタシ「yukiさん、ワタシはここにいるんで、ワタシの分まで見てきて」
ワタシの休息にyukiさんを付き合わせるわけにはいかない。
デジカメをyukiさんに託すと、yukiさんは急な階段を軽快に登り
長城の奥へ消えていった。
すごい・・・ワタシも体力あるはずなんだけどなぁ。おかしいなぁ・・・
(ここでようやく自分の体力に疑問を抱く)
靴下を脱ぎ、水を飲み、角で寝っ転がる・・・
人目なんか気にしちゃいられない。
さっさと回復したいので、ものすごく安静にしていると
土産物売りのおじさんが売り物の扇子でワタシを扇ぎはじめた。
ワタシ「謝謝。(ニコリ)」
おじさんの風に癒されつつ、ボーっと景色を見る。
いい人だなぁ。
3分後・・・
おじさん「扇子買わない??本はどう??」
お願いだから今はマジでやめてくれ。
どっと疲れるわ・・・