先日訪れた京都・北野天満宮の訪問記、後編です。
参拝を済ませ、名物を食べたあと、是非行ってみたかったのは、こちらです。


石碑には、「御土居の紅葉」と書いてあります。

豊臣秀吉が、京都の町を囲んでつくった土塁のことを御土居と言います。
ほんの一部が京都の町中の所々に残っています。お正月にNHKの「ブラタモリ」という番組の京都編を見たのですが、ここの場所ではない御土居が紹介されていました。
それを見たときに、ここのことを思い出していたので、もう一度行ってみたかったのです。

このたびは ぬさもとりあへず 手向山 もみぢのにしき 神のまにまに
菅原道真が、奈良の東大寺から脇にそれたところにある手向山(手向山八幡宮)の紅葉の美しさを歌った百人一首の有名な歌です。
この御土居には紅葉の木が植えられています。
このほか、目につくのはこちら。


とても立派なケヤキの大樹がありました。樹齢およそ600年、幹周り6メートル。


他にも大きなケヤキの木が何本もありました。



御土居は土を積み上げた土塁ですので、こんな風に高低差があります。
ここのはよくわかりませんが、自然の地形を利用して作ったところと、位置から土を積み上げてつくったところがあるそうです。
結構な勾配でした。



おりたところに、紙屋川という川が流れています。こちらも自然なのか人工なのかよくわかりませんが、名前の通り紙すきをこの川の水で行っていたようです(平安時代の紙屋院)。
天気がよかったのと、体長が今ひとつだったので、随分長い間川を眺めながらベンチに座っていました。
そして、しばらく川沿いを歩くと、枝垂れ梅のゾーンになります。



前日の城南宮より、ちょっと遅咲きかもしれません。まだこれから、といった感じでした。







順路に沿って、今度は勾配を上がっていきます。上から下を見下ろすと、紅白の梅が美しく見えました。



勾配を上がった先にも、梅苑があります。そこでは茶菓の提供があります。
さっき、長五郎餅をたべておなかいっぱいだったのですけど、お麩のおせんべいでおいしくいただきました。お茶は梅香煎茶。
なんかやはり疲れていたのかな。お湯をポットから入れるときに、手元が狂ってお湯を大量にこぼしてしまいました

ちょっとやけどしました


立派な梅苑です。7分咲きといったところでしたが、木自体が立派な木ですね。







城南宮と北野天満宮という京都の代表的な梅の名所をいい時期に訪れることができて、ありがたかったです。

そんな話を関東の友達にしたら、いつか東京の湯島天神にも行ってみようという話になりました。いつになるかな。。。

参道で開いていた、和服のリサイクルのお店。
豪華な打ち掛けでしたが、値段は数万円でした。他に、浴衣とかもあったりして、外国人観光客の方も見ていらっしゃいましたね。
参道のなで牛。皆さんになでられてぴかぴかです。自分の体の悪いところをなでるといいそうですよ。



今まであまり気がつきませんでしたが、筆塚の石碑がありました。
書の上達を祈願するものですね。菅原道真は、書の世界では「書の三聖」の一人です。三人の書の名人のことで、空海、菅原道真、小野道風の3人を指すとのこと。
でも、「三筆」(空海、橘逸勢、嵯峨天皇とか、こちらも時代によっていろんなバリエーションがあるそうです)、「三跡」(小野道風、藤原佐理、藤原行成)とか、書の達人や大御所は歴史上もたくさんいますね。
最後に、こちらも去年お参りしました。北野天満宮の末社「伴氏社」です。菅原道真公の母君を祀っています。孟母三遷といいますか、優秀な人材を育てた母はやはり尊敬の対象なのですね。



後で調べてみてわかったのですが、このお社の鳥居は、珍しい特徴があるそうです。
土台が蓮座だったり、組み方が特殊だったりするそうですが。
でも、私はよく実っていた橘(たちばな)の実に気を取られていました。

ということで、北野天満宮を後にします。
もうしばらく来ることはないかな。ちょっとヘロヘロでしたけど、来て良かったです。
時間があったら、近くの西陣とか町並みも含めてゆっくり散策したいところでもあります。
また、バスに揺られて京都駅に戻ります。行きも帰りも、結構混んでいました・・・。


京都駅についたこのとき、もう15時過ぎ。おやついろいろ食べたし、お昼ご飯いらないかとおもっていたのですが、これからまた関東に帰る長旅ですので、やはりいちおう食べることにしました。
バスを降りたところ、京都地下街ポルタの和パスタのお店「こなな」で、お豆腐とゆず醤油のあさりときのこのパスタ、ほうじ茶をいただきました。あっさりしていておいしかったです。
京都駅二階のコンコースでは、こんな展示がありました。













いずれも若手・中堅の伝統工芸作家の作品です。京都の伝統産業はやはりすごいと思います。時間がなくて丁寧に見られなくて残念。


数年前に、京都市は春分の日を「伝統産業の日」として指定し、いろいろな展示やイベントをやっているようです。
京都市「伝統産業の日」情報
こんなことを前もって知っていたら、京都の旅もいろいろと面白いことに出会えるかもしれませんね。
ということで、三月半ばの早春の旅の記録は、これで終わりです。見てくださってありがとうございました