4月21日より神戸市立博物館で開催されていた 「南蛮美術の光と影」 展。
ずっと気になっていたのですが、なかなか行けず、今日の最終日に駆け込みで行ってきました。
初めて見る展示品ばかりで、かなり刺激的な内容でした。芸術的価値だけでなく歴史的価値のある品々だったと思います。
中でも印象に残ったのは、「花鳥蒔絵螺鈿聖龕」。
聖龕(せいがん)とは、観音開きの扉がついた厨子のことで、中にキリスト像や聖母子像など、礼拝の対象となる聖画が納められています。
その聖龕に、日本の蒔絵や螺鈿の手法による装飾が施されているのです。これは海外からやって来た宣教師たちの注文を受けて、日本で制作されたものとされています。
和のものとも洋のものとも言い難い、融合して生み出された新しい世界です。
今日、目にすることのできた品々は、禁教の歴史をくぐり抜けた貴重なもの。身の危険を顧みず、自らの信仰を守り抜いた方々の遺品です。
暫しでしたが、当時に思いを馳せた有意義な時間でした。