ロシアとインドが進める月探査協力
ロシアとインドは、新たな月探査機「チャンドラヤーン2号」に関する、共同プロジェクトの立案作業を終了しました。
これは、インド宇宙研究機関(ISRO)のマドハヴァン・ナイル長官が伝えたもので、それによれば、これにより、インドとロシア両国の専門家たち
が、月探査機「チャンドラヤーン2号」の建造に着手することになると伝えました。「チャンドラヤーン2号」は、来年2010年に建造される計画です。
ロシアとインドは、宇宙分野において、長年にわたって、順調に協力関係を進めています。インド初の人工衛星、インド初の宇宙飛行士は、宇宙研究分野におけるロシアとインドの緊密な協力関係の結果、生み出されたものです。
現在、宇宙分野でのロシアとインドの協力関
係は新たな段階に入っています。ロシア連邦宇宙局(ロスコスモス)と、インド宇宙研究機関(ISRO)は、有人宇宙飛行に関する共同プロジェクトの実施に
向けて準備を進めています。今回の有人宇宙船は3人乗りで、2015年にインドの打ち上げロケットを使って、インド南部のスリハリコタ島にある宇宙セン
ターから打ち上げられる予定です。
また、ロシアとインドの大型プロジェクト
「チャンドラヤーン2号」は、月の研究を目的としています。現在、月から高度200キロメートルの軌道上を周回している人工衛星「チャンドラヤーン1号」
と異なり、「チャンドラヤーン2号」は、周回機と着陸機という2つのモジュールで構成されており、月の表面に可動式の月探査機を運ぶ予定です。ロシアとイ
ンドの合意により、インドは周回機を、またロシアの研究者たちは着陸機を製造する予定です。この着陸機は、将来、宇宙旅行者に利用されるモジュールで、実
態は、名高いソ連の無人月面車「ルノホート」の改良版です。
ロシア科学アカデミー・宇宙科学研究所のア
レクサンドル・アカルスキイ上級研究員は、「月面車」は「全く新しい開発品だ」と断言しています。新たに開発されるこの月面車は、よりコンパクトでありな
がらも、科学機材一式を搭載できるものでなければなりません。しかしこれは非常に難しい課題です。ですから、ロシアとインドの研究者たちが力を合わせて取
り組むことが求められます。また、両国以外にも、もっと多くの国がこのプロジェクトに参加する可能性もあります。月面車の製造には多額の費用がかかりま
す。ロシアとインド、あるいは、その他の国が力を合わせる事で、この莫大な費用を分担することができるのです。
これに関して、モスクワ大学とインドのアーンドラ・プラデーシュ州大学の学生が共同で開発したロシアとインド人工衛星「ユースサット」の製造に参加した、モスクワ大学・核物理学研究所のミハイル・パナシュク教授は、次のように述べています。
―科学を、一つの国の枠の中にとどめておくことはできません。異なる学術機関や異なる大学がひとつの問題を研究することによって、科学が発展していくのはきわめて自然なことです。ですから、ここで力を合わせると科学の進歩は非常に早まるのです。
現在の計画では、「チャンドラヤーン2号」
は2012年に月に向けて打ち上げられる予定です。月の周辺軌道に到着した時点で、着陸機が「チャンドラヤーン2号」から切り離され、月に軟着陸します。
そしてその後、可動式探査機が月表面の土壌サンプルを採取し、調査しながら月面を移動します。ここで注目したいのが、「チャンドラヤーン2号」が着陸する
場所は、現在、月の周辺軌道で観測を行っている「チャンドラヤーン1号」が撮影した画像を基にして決められるということです。昨年10月に打ち上げられた
「チャンドラヤーン1号」は、これまでの10ヶ月の間に数多くの様ざまな学術資料を送って来ました。その中には、月の立体地図を作成する為の情報も含まれ
ています。「チャンドラヤーン2号」は、ロシアとインドが共同で行う、最も規模の大きい、重要な宇宙研究プロジェクトの一つです。