型式番号RGZ-91

連邦軍攻撃型MS。アナハイム・エレクトロニクスが同社の傑作機Ζガンダムの簡易変形モデルとして開発した。量産化も視野に入れられており、少数生産されたΖプラスシリーズ以上の低コスト化を目指した[11]が、大規模な戦闘が起こらない小規模戦がメインとなる時代に開発されたことから他の機体と比較してコスト高な扱いとなり、試作の1機のみが建造された。

本体の基礎設計はΖガンダムのMS形態時のみを踏襲し、腕部などのパーツはジェガンとの共通化が図られた。ベース機最大の特徴であった可変機構は、巡航形態を取れるような脚部の変形機構以外は省略されている。そのため、ボディユニットにはジェネレーターが増設された。Ζガンダムはその可変機構ゆえに製造コスト高を招いていたことから、宇宙戦闘機形態をとるための機能は、すべてオプションパーツのBWSに代替された。このBWS開発においてはベースジャバーなどのサブフライトシステムGディフェンサーも参考にされ、とりわけΖプラスのバリエーション機の一つであるR型(着脱式の大型バックパックを装備する機体)の設計案に近似する形となった。宇宙戦闘機形態時にはBWSに搭載される大口径ビーム・キャノンおよび2基のビーム・キャノンが使用可能であり、攻撃力はさらに増強された。操縦系統にはニュータイプ・パイロット対応システムとして仮設のバイオセンサーが搭載されており、スペック上の性能においては両形態でオリジナルのΖガンダムに匹敵する。パイロットの技量によって戦果はかなり異なり、アムロ搭乗時にはギュネイ・ガスの操るヤクト・ドーガを中破・撃墜寸前まで追い込み、シャア・アズナブルが本気を出していなかったとはいえ、サザビーの懐に切り込んでビーム・ライフルを両断するなど、Z系列の高性能の片鱗を見せた。しかし、平均よりやや上程度の技量のケーラ搭乗時にはNT専用機との性能差はほとんど埋められず、ほぼ一方的に損傷させられて戦闘不能に追い込まれた。