魅惑(チャーム)…。
吸血鬼(ヴァンパイア)や淫魔(サキュバス)が好んで使う魔法。
簡単に言えば強力な催眠術と催淫術を合わせた様な技で相手を意のままに操り恋心を抱かせる。
吸血鬼が抵抗する相手を殺さずに首筋に噛み付いて下僕の吸血鬼に出来るのは、この魅惑(チャーム)の術があってこそ。
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「樹里亜ちゃん、吸血鬼の目を見ちゃ駄目!」
「フフフ、もう遅い。
このお嬢様はこれで私の忠実な操り人形…いえ、メタルスライムだけに鋼鉄のラジコン人形でしょうか…?」
(嘘…身体が…動かない…。
こんな気障ったらしい男、さっさとブッ飛ばしてやりたいのに…腕が!脚が…!)
「さあて、どうしてくれましょうか?
さっさとリングアウトさせてもいいのですが…。」
(…駄目…。このままじゃ『降りろ』と命令されたらホントにリングを降りちゃうよ…)
「フフフ、だがしかし!
私の相棒のぬりかべのダグラスは、貴女に両拳を砕かれていますからねぇ。」
「仕返しに私の拳を砕くつもり?」
「いえいえ、動けないレディ相手にそんな真似をすれば、我が伯爵家の誇りを傷つけます…。。
う~ん、そうですねぇ。
では、今すぐ全裸で土下座して『申し訳ございませんでした』
と、言ってもらいましょうか?
傷ついたダグラスの心もそれで癒されることでしょう?」
(な、何よこの変態吸血鬼!うら若き乙女にそんな命令する方が恥ずかしいでしょ!って駄目…!
私の手が勝手に制服の袴に…

駄目!萌慎艶戯塾の女子だけならまだしも、羅漢塾の男子や一般客も居るのに…。」
「フフフ、これでこのスライムレディはもう終わりだ。
雨野うず女さん…次は貴女の番ですよ。」
「あら、私と樹里亜ちゃんのことよりも、貴方は自分と自分のパートナーを心配したらどう?」
「パートナー?ダグラスは私の後ろに控えて…。」
「ぬりかべー!」
「グギャ!ダグラス、何をする!」
「うず女先輩!?」
「拳は砕かれてても、蹴りはなかなかの威力じゃない?
それとも彼は元々貴方に恨みがあったのかしら?」
「貴様…まさか!?」
「アハッ、魅惑(チャーム)を自分の専売特許と思ってるならお目出度いわね!
貴方は目を見た一名しか操れないみたいだけど、私は自分の舞を見た全員を操れるわ!樹里亜ちゃん、もう安心して」続