トナカイさんからの贈り物 4 | 最後の哲学者~SPA-kの不毛なる挑戦

最後の哲学者~SPA-kの不毛なる挑戦

このブログは、私SPA-kが傾倒するギリシャ哲学によって、人生観と歴史観を独断で斬って行く哲学日誌です。
あなたの今日が価値ある一日でありますように

あくまでメモなんだからね!
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天使サマエル。
ヘブライ語で「神の毒」を意味し、人間に降りかかる「災厄」を担当した天の使いといわれる。
ユダヤ教におけるヤハウェは人間臭く、嫉妬深く理不尽な啓示を示すが、キリスト教における「神」はどこまでも完全で完璧であるために、いわゆる「汚れ役」としてサマエルの役割は徐々に増していった。
聖書における「全能なる神はこんな事はしない」と、突っ込みたくなる啓示は、その殆どがサマエルとサタンの仕業に置き換えられている。
しかし、サタンとルシファーの関係の整合性から、エデン追放後にサマエルが台頭したとされるのが一般。
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「つまり、天界は最初から奈々子さんを人間界に返す事に誰も異論はなかったと。」

「ええ、ルシファーさんと落合奈々子さんとの魂の分割は、ヤハウェ様も熾天使(セラフ)も私達智天使(ケルビム)も賛成でした。」

「では何故これほどまで時間がかかる?」

「理由を知りたいですか?」

「是非…。」

近くのファミレス。
天使サマエルは北御門殿の甥子、神尾仁の姿のまま、余との再会を喜んだ。
店には北御門殿の彼氏でもあるバラム(原宗時)も仕事を早退して駆けつけ…。

「サマエル様!僕も知りたいです。『智恵』を司る天使は、ユダヤのみに恵みを与えるという傲りに対する戒めを、この占い師バラムを通じて教えてくださりました。
今回、奈々子さんの帰還にここまで時間がかかったのにどれほどの意味が…。」

原宗時ことバラムは智恵を授ける悪魔でもある。
故に黒天使サマエルに敬愛の念を抱くのは当然だが…。

「理由は…。」

「理由は?」

「誰が人間界に伝達するか決めかねてたのですよ。」

「それだけかー!??」

「大事な事なんですよ。
天使であるルシファーと、人間の魂の分割が完了しました、という大事な啓示は一体誰が担当するか天界で大議論になりましてね。
ヤハウェ様直々の作業ですからセラフか?しかし、セラフが人間界に降りるわけにもいかず、ガブリエル達アークエンジェルが担当するのも越権行為では?と。サタンくん達悪魔と交渉するなら能天使(パワーズ)の役目か?と大騒動でね。
それで結局面倒くさいことはこの私『神の毒』サマエルに押し付けってパターンです。」

「そんなお役所仕事だけが理由か?」

「はい、それだけであります。」

「ふざけるな!今すぐジハードを仕掛けるぞ!」

(次回最終回)