愛しの玉子様!? 10 | 最後の哲学者~SPA-kの不毛なる挑戦

最後の哲学者~SPA-kの不毛なる挑戦

このブログは、私SPA-kが傾倒するギリシャ哲学によって、人生観と歴史観を独断で斬って行く哲学日誌です。
あなたの今日が価値ある一日でありますように

相野麗香(18)

相野グループCEO・相野桜子の長女として生まれる。
幼少より相野グループの後継者として育てられたせいか、常に冷めた眼差しで他者を見下し退廃的態度を取る。
誰にも負けてはいけないとの思いから容姿端麗、頭脳明晰、スタイル抜群に育つ。
相野学園の生徒会長して後輩からも憧れの的だが…。
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「麗香様!
一年生の教室に来てくださったのは、るんさんに会いに来たのですか?」

たちまち私のクラスメートの女子に囲まれる。

「さぁ…貴女に会いに来たのかもしれないわよ…。」

「やだ、麗香様…そんなご冗談を…。
あ、あの私達とお昼を…。」

「あら、私は貴女のお弁当を食べるより、貴女を頂きたくてよ。」

「そんな…私なんか…光栄です…。」

あぁ、また悪い病気が!

百合さえなけりゃ尊敬する姉なのに…!
麗香お姉さんが泣かした美少女は数知れず…だそうです。
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「へぇー、るんちゃんの従兄弟なんですね。
ただでさえ難しい編入試験を楽勝だなんて頭いいんですね♪」

親友の舞花は麗香お姉さんよりも、私を馴れ馴れしく呼び捨てした嵐に興味津々だった。

「あぁ、父さんと母さんの研究を俺が成功させんとな…。」

「研究?農家の息子が舞の前だからってカッコつけないの!
どうせ鶏子ちゃんにいい卵生んで貰う研究でしょう?」

「いい卵か…あぁ、そうやな。間違うてないわ…。」

「そうだ嵐。あんたも『まい☆るん』のライヴに来ない?」

「ライヴ?うるさいんは嫌いや。」

「遠慮しなくていいから!
ねぇ、雪之介!嵐さんも来て貰っていいでしょう?」

「るん様、お母上は貴女により高校生らしい生活をお望みで…。」

「あぁ、もう!吹奏楽部は良くて、軽音部は何で反対するの!
ねぇ、嵐!お母さんを説得してよ!」

…普段は姉に付きっきりの雪之介が私と嵐の会話に気を取られた。

その隙を見逃さない者が居た。
舞花だ。
「ドラムスティックを削る」、と言ってた、その為のナイフを取り出し…。

「死ねぇぇぇー!!相野麗香ぁぁ!」

お姉さんの首筋を目がけて切りつけた!

舞花の動機はわからない。
でもお姉さんは紙一重で首を傾けてた。

「残念…惜しかったなぁ♪…お互いに…。」

教室が異常な雰囲気に凍りつく。
沈黙を壊したのは、雪之介だ。

「女!どこの企業の者だぁー!?」

小柄で華奢な舞花に思い切り平手打ちをする。

やめて雪之介!