あぁ、これは夢ですか?
妖(あやし)の男性とは、こんな私なんかを誉めてくださり、←※下心です。
こんなにも気配りがあり、←※下心です。
こんなにも気前が良く、←※下心です。
こんなにも優しくて、お話が面白いのでしょうか?←※下心です。
出世欲とご機嫌取りの塊の様な男性天使には見られない行動です。
ミカエル様は誠実なお方には違いありませんが、故意的に女性に気遣いをする方ではないですし…。
弟のサタンもその秘書のバティンさんも、女心を誘惑する優しさを持ちながらも、最後の最後で、意中の女性以外には手のひらを返した様な態度を取るです。
だから悪魔だと言われたらそれまでですが…。
しかし、目の前の四人の青年は全員が何とも爽やかな雰囲気です。
人間界の女性に貞淑さを強要するのは理不尽かもしれませんです。
いえ、だからといって大天使である私が貞淑さを放棄したわけではないです…って、私は誰に言い訳してるですか?
(ふ~ん、何だ、ラファエル姉さんもけっこう乗り気じゃない?
せっかくだから楽しもうよ!)
(勝手に心を読むなですー!いや、ロックしてなかった私も悪いですが…。)
「ほら、里見さんの番だよ、自己紹介。」
「え?あぁ、すみませんです。」
ウリエルとの念話の最中に、沙代理さんからお話を振られてビックリしたです。
私のその仕草が余計に笑いを誘ったようです。
「す、すみませんです。
な、何を自己紹介したらいいかわからないです。
申し訳ないですが、皆様もう一度簡単に自己紹介してもらっていいですか?」
と、言えばまた笑いの渦が起き、いいよと一番に言ってくれた一際体格のいい男性が切り出す。
「俺は鬼頭穂積(きとうほづみ)だ。種族は『鬼』。職業は土木の現場監督だ。今日はウチの部下も、ここのロビン店長と宝探しに行ってる。」
続いて一番年上の誠実そうな男性です。
「河野浄一郎(こうのじょういちろう)と申します。種族は『河童』。自慢ではありませんが沙悟浄の生まれ代わりです。」
続いて寡黙ながらも端正な顔立ちの男性です。
「井成用高(いなりようこう)消防士。正体は妖狐。放火魔じゃねーぞ(笑)。」
最後に一番若く、派手な服装と髪型が目立つ青年です。
「僕は蔵馬猶利(くらまゆうり)だよ。
今回の幹事は僕さ。種族は最強妖の天狗!
仕事はシステムエンジニア。
Un★でっど(アンデッド)の二人の大ファンです。」
続