あくまで魔が挿しただけなんだからね!14 | 最後の哲学者~SPA-kの不毛なる挑戦

最後の哲学者~SPA-kの不毛なる挑戦

このブログは、私SPA-kが傾倒するギリシャ哲学によって、人生観と歴史観を独断で斬って行く哲学日誌です。
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12月26日

シフト制で出勤している限り、四六時中、奈々子殿と仕事をしているわけではない。

余が出勤していて、奈々子殿が休みの時もあるし、今日はその逆だ…。

余が休みの時はその都度魔界へ帰っていたが…。(奈々子殿に関する事以外、人間界に興味はない。)

余に従わぬ五人の悪魔、ロスト・ファイブの動きが気になる。
大天使ミカエル殿が捜査している限り、奴らも表立った行動は出来ないだろうが、悪魔に使役された人間なら、ミカエル殿も全てを防ぐのは不可能だ。
前回は偶然間に合ったから良かったものの…。

余の忠実なる下僕バティンには、奈々子殿の監視と護衛を任せてある。
「瞬速の悪魔」のバティンがついていれば、危険が迫っても、余の下に逃げてくることは可能だ。

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「ライブか…。」

アスモデウスの人間界の人気なら、奈々子殿を誘うには良い口実だろう。
だが、余は今は無力な人間、佐田星明なのだ。
魔界の大魔王サタンならば、

「…供をせい…。」

の一言で済む話だが、奈々子殿の心情を害せば、次の機会はまた、金星が太陽を通過する100年後だ!
ルシファーは守護星の金星の影響を受けるのだ。
2012年5月の金星の太陽面通過の効力は二年。
ルシファーの魂を奈々子殿に移せるのは2014年の5月までだ。
余はこのチャンスの為に、人間界の中で最も最適な人間を探してきた。
勿論、過去にもこれは!という人物は居たことは居た。
クレオパトラ、楊貴妃、エリザベス一世…。
才覚や美貌を持ち合わせた人間は居たが、「ルシファーの器」ではなかった…。
ルシファーの魂を受け入れる女性は「最も傲慢でない者」でなければいけないのだ。
機は熟した。
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店長との面接の時にだけ来た黒のスーツに着替える。
シャツはワインレッドにしよう。
火属性のミカエル殿を連想させるが、余の煉獄の想いを後押しさせるには赤が最適だ。

休みの日に店に行く余を、奈々子殿は滑稽に思うだろうか?
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「以外と繊細なのよねぇ~、サタン様って。」

「やっぱりショックでヒッキーになったルシファー様と男女の違いはあるけど似てるですぅ。」

「…サタン様ならものの3日もあれば籠絡できたかと。うむ、この蜜柑美味しいです」

「あ~、それ僕の~!」

「ベルゼバブ、アスモデウス、バティン、ベルフェゴール!余のアパートで勝手に蜜柑を食いながら、余に聞こえるように色恋を詮索するな!」