「聖ニコラスの訪問」
が現在のサンタクロースの起源です。

八頭のトナカイの名前が初めて記されました。
聖ニコラスが貧しい家に、窓からコインを投げると、偶然干してあった靴下の中にすっぽり入ったのです。
これが
「枕元に靴下を吊るすとプレゼントが…。」
の始まりです。
聖ニコラス=セント・ニコラス=サン・ニコラウス=サンタクロースとなります。
サンタさんの「サンタ」は聖(セント)の敬称なんですね。
しかし、ムーアの本にはソリを先頭で引く最も有名な「ルドルフ」は入ってません。
ムーアの本から100年後、通販会社で働く33歳のロバート・メイには愛する妻のエブリンと、4歳の娘バーバラが居ました。
ある日、バーバラは子供故の無邪気さで父に尋ねました。
「どうして私のお母さんはみんなと違うの?」
バーバラの母エブリンは癌と闘っていました。
娘の寂しさが痛いほどわかるロバートは、バーバラにお話を聞かせてあげました。
「昔、昔、ルドルフというトナカイが居ました。
ルドルフは他のトナカイと違う赤い鼻を、いつも笑われていました。恥ずかしい想いをし、自分の真っ赤なお鼻が嫌で仕方ありませんでした。
しかし、ある霧の深い夜、奇跡は起きました。
サンタクロースと八頭のトナカイが、ルドルフを仲間に迎えに来たのです。
霧の深い夜は、煙突がどこにあるかサンタさんでもわからなくて、困ったサンタさんはルドルフのことを思い出したのです。
サンタさんはちゃんとルドルフを見ていてくれたんだね。」
ロバートが話終わると、バーバラは満足な笑みを浮かべて寝室に向かいました。
それから毎日、赤鼻のルドルフの話を聞きたがる娘に対し、ロバートはお手製の本を作ろうと思いつきました。
文をまとめ、製本から印刷の大変さに苦戦するロバートに、更なる悲劇が…。
本が完成間近で妻エブリンが息を引き取ったのです。
それでもロバートは本を完成させ、バーバラは歓喜しました。
そして会社のクリスマスパーティーでロバートがルドルフの詩編を読み上げると、会場から割れんばかりの拍手が起きました。
これは1938年の実話です。
「赤鼻のトナカイ」は世界で600万部以上を売り上げました。
