スポーツジム…。
「大食」と「怠惰」を繰り返した醜い肉体を持つ人間が、自らの資産を切り崩してでも（強欲）、他者の力を借りて改善を目論む場…。
※あくまで大魔王サタンの個人的見解だからね！
あまつさえ肉体改造に邁進する輩はまだしも、目的を忘れて若者同士の出会いの場（姦淫）を求めたり、高額な会員権をセレブリティの一環と勘違いしてる者（傲慢）まで居ると聞く。
これに「効果が無かった」と講師や経営者側に文句（嫉妬＆憤怒）を言おう物なら七つの大罪の完全制覇だな…。
※繰り返しますがあくまで個人の感想です。
「…でね、学生時代の久美子がそこに勤めてて…。
あっ、ごめんなさい、佐田くん。
私ばかり喋ってて…。」
「いえ、楽しそうに語ってる落合さんの隣に居れて光栄です…。
しかし、何故、私をスポーツジムなどに？」
「佐田くん力仕事は難なくこなしてるし、ガッチリした体形に問題はないけど、表情から疲労感が漂ってるのよ！
初バイトの緊張だけじゃないでしょ？
どうせ夜型生活で太陽も浴びない不健康くんでしょ？
先輩として気前よくご飯を奢りたい所だけど、君は健康的にジムで汗を流しましょう！
適度に身体動かした方が、明日に疲れ残さないわよ。」
「はぁ…。」
不健康か…。神の祝福を受けず、陽の光の射さない魔界で過ごす悪魔は最も健全でないかもしれぬな。
ましてや天使長ルシファーは天使によって造られた天使…。
そして余はそのルシファーが持つ「怒り」と、ミカエルへの恋心との解離によって生まれた男性的人格。
余こそは不健康そのもだ。
＊＊＊＊
「久美子ー、新規会員連れて来たよー！」
「嘘、奈々子が年下と付き合うなんて意外だわー！？しかも超イケメンくんじゃない？！」
「ち、違うわよ、バイト先の後輩よ！」
「ふぅ～ん、後輩ねぇ。それはそれは。
あっ、そうそう。貴女ラッキーよ！今日は曽根先生がもうすぐ来るのよ！」
「ええ、ホントに？やっぱり今日来て良かったー！」
先生…？スポーツジムで先生と呼ばれるとは医師か？
「佐田くんは知ってる？今、テレビや雑誌で人気のカリスマダイエットインストラクターの曽根晴人（そねはると）先生だよ？
先生と行けるダイエットグルメツアーも超人気なんだよー！」
「…いえ。すみません、ダイエットとグルメって…主旨がもう…。」
「はぁ～い、皆様ご機嫌よう～。」
聞き慣れたハスキーで甲高い声！
ベルゼバブ！？続