「島!お前、よくも!」
瑞穂の大切な片倉先生の口唇を奪った島さん!
激怒した瑞穂は、スカーフを引き抜き、変身しようとしたが、
「いけません、高坂さん!
ここで変身しては全てが無に帰します!」
南部さんに抑えられ、何とか冷静さを保つ瑞穂。
会場内は突然の教師と女生徒のキスシーンに大盛り上がりだが…。
「み、瑞穂、ほら、優勝者の権利として、祝福のキスと思ってさ…。」
「不意打ち」に対して何とか弁明する片倉先生。
島さんも瑞穂もどちらも責めないこのスキルが人気なのかしら?
真田さんなら、ご機嫌を取るために、間髪入れずに瑞穂ともキスするでしょうけど…。
「さやかちゃん、私達も中に入って直接、島さんの話聞くわよ。」
「は、はい。
凄い、生でキスする所、はじめて見ました。」
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「う~ん、流石に大人の味は違うわね。
刺激的~。」
午後のイベントは終わり、ハロウィンパーティーまで時間はある。
私達は空いた教室で話あった。
「逆にこっちが聞きたいわ。
貴女達はどうして、魔王軍と戦ってるの?」
島さんは、あっさりと「謎の戦士デザイア」であることを認め、私達に聞いた。
「知れたことです。
魔王軍は人間が生み出す邪念ヤリティエを増幅させ、その力で『邪神・レン』を復活させようとしています!
そうなれば世界は終わりです。
その為に自分達は…。」
誠実に答える南部さん。
私達は総司令マリアから確かにそう聞いていた。
「マリアらしいね♪
でもヤリティエって、人間が怪人になって、亜人種が人間に化けるのに必要なんでしょ?
それを全て封印出来ると思う?
南部さん、アイアントゥルーを名乗るなら、真実に目を向けて。
そもそも邪念が存在しない世界なんて考えられる?
これは『妖精さん』に聞いた方がいいかしら?」
「♪う~ん、わかんなーい!♪」
「貴女じゃないわ、もう一匹に聞いてるの!」
「…マリアが貴女にした仕打ちは同情の余地はあるです。
しかし、『安定期』に入ったマリアの邪魔者が産まれる可能性は、全て排除する必要があるです!」
「それがマリアの勝手な論理だっての!
いいこと、邪神レンなんて生まれないから!
本当に生まれるのは…。
言っていい?しっかり者の妖精さん?」
「♪しっかりしてない♪殆どうっかり♪」
「貴女に聞いてないの!
産まれるのは『始まりの妖(あやし)ユダ』よ。
パーティーで全てがわかるわ」