「片倉先生…好き!あっ…ん!」
…一人のベッドでなら何回でも言えるのになぁ…。
「結城翔子さん、貴女の願いを叶えてあげましょう。」
「だ、誰?」
「愛のキューピッドですよ。
突然貴女の夢の中に失礼…。」
「夢?夢なの? それにしてはリアルな…。」
「貴女がもしも、『もう駄目だ!』と思うことがあった時、この瓶のキャンディーを舐めてください。」
「舐めるとどうなるの?
ナイスバディなイケテるレディになれるの?」
「間違ってはいませんよ。
私を信じてください。魅惑(チャーム)」
「…はい、信じます…。」
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「やだ…。私、何て夢を。
『魔法のキャンディー』なんて意外と私もメルヘンチックな…あるっ!!
ウソ…ホントに天使が…?」
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「あ、あの片倉先生…。」
「はい、何ですか?結城さん?」
「私、先生のことが好きです!」
「僕も真面目で頑張り屋さんの結城さんのような生徒は大好きですよ。」
「いえ、そういう好きじゃなくて…。」
はぁ、やっと言えたのに…。
やっぱ私みたいなお子様を相手するわけないかぁ…。
卒業までは今日の先生の言葉で我慢…。
って…あれは高坂先輩?
片倉先生の国語準備室に何の用?
まさか…。
ごめんなさい、盗み聞きじゃないですよ。
無許可で事実を勝手に知りたいだけで…。
「…瑞穂。」
「士郎!」
「僕は君を…。」
ウソ?密室で教師と生徒が…ありえない!私の告白をスルーしといて、私よりお子様体型の高坂先輩と!
『もう駄目だと思った時にこのキャンディーを』
そうだわ、愛のキューピッドさま!
お願い、私を絶世の美人に…。
何?身体が熱い…。
意識が…。
****
「キャー!」
「怪物だー!」
「士郎!」
「危険だ!
僕に任せて君は逃げて!」
危険なのはお前の方だ。
お前が居ては変身出来ないではないか。
「キャー!
蛇女ー!」
「僕の生徒に手を出すな!」
「カタクラ…センセイ…ワタシヨ…。」
「ぐわぁ~。怪物め、絞め殺したいなら僕だけを殺すがいい!
だが生徒に手を出すな!」
南部、京子、まだか?お前達が来てくれないと…。
「困ってるみたいね、アイアンビクトリー!
ここは私に任せて!
シールド・オブ・ダークネス!」
辺りが暗闇に!
デザイア!ここは借りておくぞ!
「無敗の神風は覇王の道のり。
勝利の戦士・アイアンビクトリー」続