がばめんと!1テッペキ!シーズン8 | 最後の哲学者~SPA-kの不毛なる挑戦

最後の哲学者~SPA-kの不毛なる挑戦

このブログは、私SPA-kが傾倒するギリシャ哲学によって、人生観と歴史観を独断で斬って行く哲学日誌です。
あなたの今日が価値ある一日でありますように

うちの高校の生徒会システムは少し変わってる。
生徒会選挙で選ばれるのは会長のみ。
そして当選した会長が副会長、書記、会計を自らの権限で選べるのだ。

一昨年の七月。立候補した真田先輩は、

「学園の自浄作用を取り戻す。」

だった。県有数の公立進学校の割に、風紀は乱れ、不良生徒と、不良教師を徹底的に排除することを公に宣言した。
ライバル候補は、服装や髪型の規制緩和を公約に人気取りな作戦に出たが、結果は得票率97. 7パーセントの大圧勝だった!

「しかも、京子先輩を副会長に選任することを公約にしたんだから、規則の裏を上手くついての勝利よねぇ。
私も、真田先輩とまでいかなくても、みんなの支持をたくさん集めたいな…。」

「まぁね、お兄ちゃんを選ぶって言っても票が動くと思えないもんね~。」

試験明けの休日は、俺の家に恵里菜を呼んだ。
ホントは恵里菜の家で二人きりが理想だったが、久しぶりに帰国した両親に会いたくないらしく、妹の麗美が居る俺の家で過ごすことになった。

「グサッと来ること言うなよ、麗美!
恵里菜が生徒会長になっても、俺は生徒会に入らないよ!」

真田先輩は学年一位。京子先輩も五番以内。この二人が会長、副会長は当然だ。
でも、成績の悪い俺を恵里菜が無理矢理引っ張ったら、生徒に示しがつかない!
このことは恵里菜と話し合って決めたことだ。

「え~、恵里菜お姉ちゃんは、お兄ちゃんを副会長にしないの?
じゃあ、ウチの家で新旧の生徒会の引き継ぎ会は実施されないの!?」

突然、麗美が驚きの声を上げた。
小学生のお前が何で北条学園の生徒会選挙にそこまで興味示すのか、兄の俺にもわからない。

「そんな~!真田さんが家に来てくれて、お茶を出す私に、『麗美ちゃんありがとう。お兄さんと違って可愛い妹だね♪』ってセリフを言ってくれるんじゃなかったの!?」

「ねぇ、優矢くん。麗美ちゃんてもしかして…。」

「あぁ、小菅の送別会で一度会ってるから…。
おい、麗美!真田先輩には内藤京子さんて彼女が居るし、お前みたいなお子様相手しないよ!」


「別に交際を前提としない『好き』もあるの!
それに7才差なんて大人になったら普通です!」

全く、小学生らしくランドセル背負った同級生と仲良くしてりゃいいのに…。

「やっぱりねー、お兄ちゃん以上に頼りがいがある男性じゃないとキュンとこないの!」

母さんと俺だけで麗美を見て来た影響かな?