(創世記42章)
ファラオの権限により、ついにエジプトの大臣に登りつめたユダヤ人にしてアブラハムの曾孫ヨセフ。
彼は備蓄政策を提案し、ファラオは全面的にヨセフを支援した。
「やがて飢饉がくる!
収穫の5分の1を貯蔵庫へ!
いまある食料を食べつくすな。」
「本当に大豊作がやってきたではないかヨセフよ。」
「はい、ですから7年後に大飢饉もやってきます。
おそらく被害は世界中に渡るでしょう。
備蓄あるエジプトに世界中の商人がやってきます。」
エジプトが潤えば、それを聞きつけた周辺民族が買い付けにやってくる。
他国に対してエジプトが優位な立場をとれる。
そこまで計算に入れていたヨセフ大臣ですが…。
「大臣の言ったとおりだ。」
「今度は酷い大飢饉だ。」
「ま、オレ達には備蓄された食料があるけど。」
「なに!
カナンの地からユダヤ人がやってきた?」
「はい、11人の青年が穀物を求めています。」
「11人…。
まさか…。」
「これは大臣さま。
我々はカナンの地から参りましたヤコブ一族です。
食料を求めて参りました。
どうかお恵みを。」
やはり嘆願にきたのはかつての兄弟だった。
辛い過去がフラッシュバックするヨセフ大臣。
その時、末っ子の少年が…。
「お兄ちゃん!
ヨセフお兄ちゃんだ!」
「ヨセフ?お前、生きていたのか?」
「よく気づいたね
ベンヤミン。
さすが母さんが同じなだけある。
いかにも私は君達に半殺しにされたヨセフだ。
本当は君たちの顔も見たくないが…。
私も変わった。
昔の傲慢なヨセフではない。
父の顔もみたい。
連れておいで。一緒にエジプトで暮らそう。」
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はい、実はこの飢饉をきっかけにユダヤ人は入植していきます。
これが次回からの
「モーセ・出エジプト記」
のきっかけとなります。
はい、「海よ割れよ」と「十戒」で有名なモーセです。
で、ヨセフに話が戻りますが、大臣になったヨセフは宝石に車(ラクダ車?人力車?)祭司のお嬢さんを嫁にもらい、「ツァフェナト・パネア」という名前をもらいました。
そして息子に「マナセ(忘れさせる)」との名付けています。
ヤコブ本家はヨセフの兄四男ユダが継ぎますが、息子二人が早世し、長男の嫁タマルだけが残りますが…。
何と未亡人タマルは娼婦に変装し、初老の義父ユダと行為に及び双子の男の子をもうけます。
そしてアブラハムの血統は守られ賞賛されます。