「武田キャプテン!これ受け取って下さい!」
「茉奈ちゃんいいの?やったぁ~!」
「すげー!あの武田が彼女の中島さん以外にモテてる!
しかも一年女子から!」
「こらー!茉奈、お前には鈴木って彼氏が居るだろ?
お兄ちゃんはお前をそんな風に育てた憶えはないぞ!」
「ちょ…。誤解しないでよね。これは私達一年女子サッカー部合同でのバレンタインなの。
キャプテンには、いつもみんなをまとめてくれてありがとうございますって日頃の感謝なんだからね?」
「で、茉奈よ。お兄ちゃんには何もないのか?」
「昨日家でポッキーあげたでしょ?
どうしても欲しかったら山名先輩なら貰えるわよ!」
「さっすが理恵ちゃん♪
俺達モテない男子部員の天使だ!
鳥居、早速理恵ちゃんのとこに行くぞ!」
「おう。」
「…中島先輩、これでいいんですか?」
「茉奈ちゃん、わざわざ教室に来てもらってごめんね~。
せっかくだから部室よりも教室で渡して、あいつにモテてる気分味わって欲しかったの♪」
「優しいんですね、中島先輩。」
「私はいつもダーリンに優しいわよ。
京子ちゃんと違って。」
「生徒会長の真田への要件は全て、副会長である私が取り次ぎますが何か?」
「いえ、あの…。真田くんには勉強教えてもらったお礼として…。」
「私のまーくんにお礼がしたいなら、貴女はチョコ渡すよりも、頑張って成績を上げることだと思いますが。
私、何か間違ったこと言ってます?」
「ご、ごめんなさい。何でもないです。」
「…雌猫が…!油断もスキもないんだから。今日は最悪の日ね。」
「相変わらずですね♪京子先輩。」
「柳生ちゃん。まさか貴女もまーくんに?」
「はい、毎日生徒会長と高坂先輩のアシスタントコーチご苦労様ですって、一年女子の合同で。
あっ、私個人は勿論、優矢くん一筋ですよ♪」
「そう、不純な動機じゃなければ大歓迎よ♪じゃあ榎田くんは翔子ちゃんの担当?」
「はい、一応三好先生の居ない時間を狙って♪」
「…ね、彼氏の居る恵里菜なら京子先輩怒らなかったでしょ?」
「真樹の読み当たったねー!」
「じゃ、私は私の本命に渡してくるわ。」
「ちょっと初耳よ!一年で彼氏いないの私と真樹だけだと思ってたのに?抜けがけ?」
「誤解しないでよ愛!私の本命って言ったら高坂先輩よ!」
「今は止めなよ。ホラあの教室。高坂先輩目当ての一年女子の行列出来てるから」