「真理亜ちゃん、年賀状だよ!」
「ありがとうございます、龍造寺先生。
まぁ、浅尾くんたら律義に今年も…。
去年、三週間だけの 教育実習しただけなのに…。
みんな可愛かったなぁ…。
男の子ってなんであんなにあっという間に成長するのかなぁ?」
~憧れていた大人になりたくて~
「ちくしょう!浅尾の奴許せねぇ。」
「やっかむなよ武田。
『期間限定』の実習生がチヤホヤされるのは年中行事みたいなもんだ。
浅尾の人気なんてすぐ落ち着くさ。」
「そうじゃない。
浅尾が居ても一年の中で俺の人気には変わらないから構わんのだが、あいつは実習生のクセに厳し過ぎんだよ!
宿題に小テストに再テスト!」
「武田、策はある。お前と仲の良い本願寺さんを…。」
「さすが知将・真田。」
バッドボーイNo1 武田
「頼む!陽子ちゃんの色気で浅尾の奴を誘惑してくれ!」
「もう…、仕方ないなぁ、浅尾先生嫌いじゃないし、輝くんの頼みなら…。
ちゃんと榎田くんとデートの約束守ってよね!」
「…浅尾先生質問…。紀貫之は『男もすなる日記を女の私も』って…それは女の心だけじゃなく、身体も隅々までわかってないと女性視点なんて書けないですよね?
私も浅尾先生の隅々まで知りたいなぁ…。」
「…本願寺陽子さん。制服の着崩しは校則違反です。
一見した所、五ヶ所は該当しています。
質問はそれを正したら受付ますので、以上。」
「輝くん無理!あんな理性の塊を落とす引き出しあたしには無いよ!」
「まー君もみんなも何でそんなに浅尾先生を嫌がるの?
誠実で紳士的でいい先生じゃない?」
「京子まで…。浅尾の奴許さねぇ!」
「いくら三好先生が浅尾の監督教員だからって、ベタベタし過ぎだろ!浅尾の奴許せねぇ!」
バッドボーイNo2・3真田・榎田
「榎田、今回ばかりは利害が一致したな。
まず俺達がケンカしたふりをして、仲裁に来た浅尾を勢いで殴る!」
「浅尾先生!ケンカです!真田くんと榎田くんがまた…。」
「…だ、そうですよ。三好先生…。」
「困った子達ね!任せて。」
「バカヤロー真田!三好先生に止められたら意味無いだろ!
何で俺が無駄に一本背負い喰らわないといけないんだ!」
「榎田くん、二人で自作自演したでしょう?
どうして?」
「だって…三好先生が浅尾の奴とばかり…。」
フフ、まさかあれが徹の気持ちを知るきっかけになるなんてねぇ(笑)。