テッペキ!13 | 最後の哲学者~SPA-kの不毛なる挑戦

最後の哲学者~SPA-kの不毛なる挑戦

このブログは、私SPA-kが傾倒するギリシャ哲学によって、人生観と歴史観を独断で斬って行く哲学日誌です。
あなたの今日が価値ある一日でありますように

「オイオイ、先に着替えたいなら俺が出るよ。」
男子サッカー部に女子5人が急に入部した為に、一つの部室を交代しながら着替えている。
「待たされるのは嫌いだ。
お前が気にするなら…。」
ズズッと三連のロッカーを90度に曲げ、ついたてを作る。
ロッカーを隔てて高坂が着替えてるかと思うとドキドキする。
「今日は『私の』の居残りに付き合わせて悪かったな。」

「えっ?俺のキャッチミスからの居残りだろ?」

「私は…榎田なら問題無くシュートが撃てるのに、ゴールに立ちはだかるお前の瞳に見られると何も出来ないただの女の私が居る。
今日ほど不調な私は無かった。
それを克服したくて…。最後には自信を取り戻したぞ。」
あれで不調ってホントの高坂はどんだけ凄いんだよ!
確かにゴールを決めたのは中島と小管だけど…。
「真田、私は今日こそ確信したぞ!
お前のことが大好きだ!

壁越しでお前の顔を見て伝えれない、情けない女の告白さ…。
…それでも…私はお前に…伝えたかった…。
うぅ…、グスっ、あっはっぅん 」

泣いてる、あの高坂瑞穂が壁の向こうで泣いていた。
伝えなきゃ、俺の方こそ、今日でサッカー部を辞めて京子と
「聞いてくれ、高坂!俺は京子が…。」
「嫌だ!聞きたくない!今日だけは、今夜だけは返事を聞きたくない!」

違うんだ。その事じゃないんだ。大切なのはお前とのサッカーが最後って言いたいのに…。
「高坂、違う!俺が言いたいのはだなぁ…。」

「ズズッ」

ラチが開かないので、ロッカーを越えて直接話そうとする俺。
男らしく俺は高坂の顔を見て伝えたかったのだが…。

「キャー!!今こっちに来るなバカー!」

そこは驚くほど色白で、女の発育が極端に悪い、着替え途中の高坂が居た。

「本当にロッカー越しに着替えてたのかよ!イヤ、着替えながら告白って…。」
「話に夢中になったら手が止まったんだ!
見るな!こんな私の身体!
ワ~ン!!」
さっきまでのすすり泣きが号泣に変わった。
きっと色んな感情が一気に爆発したのだろう。

その時…。

「ハイ、スト~ップ!
そこまでよ。
まー君!
現行犯ね!」

「京子!何でここに!」

夜遅いサッカー部の部室に京子が居た。
イヤ、京子だけじゃない、武田も榎田も中島も小管も…。

「部室。二人きり。着替え途中で泣いてる女生徒。
この状況、誰が見てもね~?
変なことされてない?
瑞穂ちゃん?」

瑞穂ちゃんて…