開業したてに、おばあちゃんに挨拶に行ったら
「その年で消防士とは大変だね~」???
近所のおばさんにも、何をやってる仕事なんですか?
と聞かれてしまう始末。
最近少しずつですが、マスコミ等で取り上げられてきた
「司法書士」という職業名ですが、
まだまだ、実際の仕事の内容が浸透しているとは、思えません。
そこで、過去に解決してきた事件や、
現在取り組んでいる問題等をお話してみなさんに、
「司法書士とは何者?」
といわれないようにしていきたいと思います。
コメントも、よろしくお願いします。
003 費用はおいくら?
これも、何年か前の出来事です。
ある市の土地開発公社から、県立高校の土地の上についている、
抵当権を消してくれないかとの依頼がありました。
何で、うちの事務所のような零細事務所に土地開発公社からの仕事が来るんだろ?
と不思議でしたが、理由がありました。
つまり、いわくつきの事件だった訳です。
すでに何年も前から、問題になっていて、土地から抵当権が消えない限り、
県からのうん億円のお金が入ってこないということらしいです。
資料を見てみると、某司法書士が、その土地の権利関係を調査したことあるようです。
何々、元所有者が4名で、現在ほとんどの人が死亡しており、相続人が・・・・
なんと32名!!!
まぁ、ここまでは時々ある話ですが、その相続人が、石川県、北海道、鹿児島県・・・
全国に散らばっています。
自分が土地をもらえるなら、協力をしてくれる方は多いですが、
抵当権の抹消のために印鑑が必要だとしても、協力が得られるとは限りません。
さて、どうしたものか。
以前、調査した司法書士はこの時点で、無理だと判断したのかも知れません。
その調査からさらに3年ほど経過しており、相続人はもっと増えてるかもしれない・・・
どうしようか?とりあえず、現在の相続人を全部洗い出そうか?
そして、全員に連絡して、協力を得る・・・無理そうだな
いっそのこと乱暴だけど、全員を被告にして、裁判を起こして、判決による登記をしようか・・・
いろいろ悩みます。
あ、待てよ。登記簿謄本の上の方に押されているスタンプはなんだ?
(現在では登記簿謄本はコンピューター化されており、
登記事項証明書と呼ばれ、スタンプが押されていることはありませんが、
当時はまだ、法務局の登記簿をコピーしたものでした)
そこにはこの土地は戦後の農地解放の手続き(通称自作農)で、
所有者に譲渡されたようなことが、書いてあります。
頭の片隅に、「自作農の場合は、担保は全部消されているはずじゃないのか」
との記憶がありました。
そこで、資料を引っ張り出して、いろいろ調べた結果、
法務局のミスで残ってしまっているらしいということが判明してきました。
早速、法務局へ行って相談です。
「この忙しいのに、そんなこと調べて、消せというのか」
と嫌味を言われながらも、お願いしました。
結論が出たら連絡がもらえることになりましたが、
10日たっても連絡がありません
やっぱり駄目なのかなと、諦めかけた頃、
手続きが終わりましたと、連絡がありました。
結論だけでも先に連絡してくれればいいのにと、ぶつぶつ言いながらも、
すでに抵当権は消えているという事実に笑みがこぼれます。
土地開発公社に連絡すると、「え、消えたんですか?」と驚いた様子。
なんだ、やっぱり期待していなかったのか・・・
しかし、大変喜ばれ、散々ほめられましたので、悪い気はしません。
「ところで、費用はおいくらですか?」
結局、私がしたことは、法務局に行って相談しただけです。
相続人を調査したり、訴状を書いたりしたわけではありません。
「えっと、通常の抵当権抹消の費用程度で結構ですよ」
今考えると、もっと貰ってもよかったな~?
関根事務所のHP http://www.lsoys.com/
魔法の電話
もう10年以上も前のことになりますか、
あれは、開業してまだほとんど仕事がなかった頃のこと
突然「自己破産」をしたいとの、相談がありました。
当時は現在と異なり、破産を扱っている司法書士も数少なく、
ノウハウが確立されていたわけでもありません。
私自身も研究をしていたのですが、実際のお客さんからの依頼は初めてでした。
10数社から借入があり、住宅ローンも抱えているとのこと。
個人再生制度が施行される前でしたし、特定調停もまだ、ありませんでした。
当然、代理権*1もあるわけもなく、消費者金融に連絡するのも恐る恐るでした。
(*1認定司法書士と呼ばれる簡易裁判所の代理権を持っている司法書士は
140万円以下の争いについては、裁判外でも代理できます)
とりあえず、本人が債務整理をしたいと言っていること、
取立ては、控えてほしいこと等の手紙を出したことを覚えています。
すると、ほとんどの会社からの請求が止まりました。
(現在では、受任通知を出せば当然ですが、当時は結構驚きました。)
しかし、中には取立てを続ける業者もいました。
毎日、夜遅くまで、督促の電話をしてくるというのです。
そこで、電話線を外してしまいなさいと、お話しました。
ところが、「先生、電話線はずしても、電話がかかってくるんですが・・・」
と連絡がありました。
そんな馬鹿な!!
急いで、お宅へうかがってみると、電話線をはずしたのではなく、
電源コードをはずしただけだったようです。
あるタイプの電話機は電源が入っていなくとも、通話だけはできるようです。
すべての、債権者から取引の経歴が開示されるまで、結構時間がかかります。
すると、早々に開示してきた消費者金融から、
「先生、手続きは、どうなってるんですか?
早く処理していただかないと、困るんですよ」
と、私が督促されるようになってしまいました。
それ以来、債務整理の依頼を受けるだび
「あなたは、これで、一息つけるようになります。その代わり、
今度は私が、速くしろと請求を受けるようになるんです」
と、冗談を言うようになりました。
そんなこんなと、色々ろありましたが、初めての自己破産の申請は無事終了。
当時は破産宣告後に、免責の手続きを行ったように思います。
はじめての破産事件はいい経験になりましたし、お客さんから
「ありがとうございました」と、言われたときの気分は、
登記を終わらせたときとずいぶん違ったような気がします。
PS.この依頼者が破産手続きの途中に新年を向かえ、
新年の挨拶にと、日本酒を持ってきました。
そのとき、
「気持ちはありがたいが、そんなことしてる場合じゃないだろう!!」
と怒鳴りつけてしまったことを思い出しました。
若かったなー。
関根事務所のHP http://www.lsoys.com/
はじめまして
はじめまして、埼玉県飯能市の司法書士関根義則と申します。
司法書士事務所を開業して依頼、司法書士という職業が
いかに知られていないかということを痛感してきました。
お年を召した方はいまだに、「代書屋」と呼びますし、
行政書士と間違えられることも、たびたびあります。
少しでも、司法書士という職業がどんなことをしているか知っていただきたく、
このブログをはじめてみました。
毎日更新が目標です。
是非、よろしくお願いします。
