こんにちは

今日はちょっと怖いお話です。
でも、知っておかなくてはいけないことです。
世界を震撼させている、クアラルンプールの空港で起きた一連の騒動。
私は政治ジャーナリストではないのでこの騒動について深く言及するのは避けますが、どうやらエアライン職員がこの騒動に関与していたと言われています。
私たちは会社から様々な注意喚起を受けますが、特に国際線に就航しているエアラインの社員に関してはかなり強く言われ続けます。
「人から預かりものをしてはいけない。」
「現地の法律を熟知して行動をしなさい。」
「危険な場所には絶対に足を踏み入れないこと。」
以前、JALの海外ベースの客室乗務員がフライト前に空港でお客さまから小さな箱を渡されました。
「これをあちらの空港に着いたら、到着ロビーに私の友人が私の名前〇〇と書かれた派手なプラカードを持って待っているから、その人にこの箱を渡してね。私は事情があって今回行けなくなったから、この箱が渡せなくなっちゃったの。だから宜しくお願いします。」
そのお客さまは女性だったそうです。
この乗務員は何の疑いもなく快くその箱を受け取り、お客さまの言う通り到着地までその箱を大切にフライトバックに入れてフライトしました。
もう、お分かりですね。
その乗務員は到着地で拘束されました。
箱の中身は違法薬物だったそうです。
知らず知らずのうちに運び屋にさせられてしまいました。
悪い人たちは、我々を利用しようとします。
私も、パリでひとりカフェにいたら、アジア系の女性2人が近寄って来て
「ルイヴィトンで買い物をしたいけど、事情があって私たちはお店に入れない。あなたに〇〇ユーロを渡すから商品を3点ほど買って来てくれる?ディタックスもあなたにあげるから。お願い。」
と言われました。
すぐさま、私は「あっ、これはヤバイやつだわ!」と感じてお断りしましたが、目の前に数百ユーロをチラつかせて話すので、直ぐに話にのる人はいるだろうと思いましたが、近くの別の女性にも同じ手法でこの2人のアジア系の女性は話を持ち掛けていました。
自分さえしっかりしていれば、引っかかることはありませんが、我々を上手く利用して利益を得たいと考えている人は間違いなくいます。
国際線に乗務することは、世界をまたいで仕事をすることであり、航空機が一機入国することは沢山の段階を得てからようやく到着出来るのです。
客室乗務員はコンプライアンスを遵守し、またその国その国の法律に従い、文化や宗教を尊重しながら他国に赴いています。
怖がることはありませんが、常に落とし穴に落ちないように気をつけなければならないことと、利用しようとしている人がいるから決して応じないことを肝に銘じでおく必要があります。
L&Rアカデミー
太田真美子