こんにちは

寒いですね。
列島凍てつく寒さです

温泉に肩まで浸かってずーっと温まっていたいところです。
お客さまは全員健康な方ばかりではありません。
体調を崩している方、障害をお持ちの方、ケガをされている方、本当に様々な事情、背景をお持ちの方がご搭乗になります。
札幌から羽田に帰る便のことでした。
「車椅子ご利用のお客さま48C、お連れさまが48Bです。」
チーフはお客さまがご搭乗なさる前に予め乗務員にインフォメーションを流します。
我々はお化粧直しをしながら、またはお食事をしながら、大事な情報をメモっておきます。
車椅子をご利用のお客さまは、どんな理由で車椅子をご利用になるかも念のため知っておきます。
緊急時の行動の指針になるからです。
「48Cのお客さま、reasonは…痛風です。」
痛風

だったら、旅行しないでのんびり自宅で過ごしてなきゃ。
そう思っていました。
飛行機が離陸した後、ドリンクサービスが始まりました。
すると、機内後方から
「ギャー
」

と断末魔の声が聞こえてくるじゃありませんか。
見渡しても緊急をようした機内の雰囲気ではなかったのですが、後方のエコノミーを統括しているインチャージにコールして今の絶叫はなんだったか聞いてみました。
「あ、今のですか
例の痛風のお客さまですよ
」


そっか。
風が吹いても痛いから痛風。
気圧のせいもあり、どうやら脚が痛むようです。
しばらくしてからも
「イッテーーーッ
」

「ギャー!」
「クソー!」
と、ちょくちょく叫び声が機内に響き渡ります。
まわりのお客さまにもご迷惑をおかけしていることは間違いありません。
でも、痛風のお客さまだってワザとではないんです。
その絶叫の度に乗務員が足を運び
「痛いですよね
」

「痛風はツライですよね
」

「まもなく到着しますから
」

場の雰囲気を和ませようと何とか努力をします。
その度に、お連れさまは平謝り

羽田に到着した時に、48Cの痛風のお客さまとお話ししました。
どうやら、仲間どうしでスキー兼温泉旅行した際に、普段から暴飲暴食していたにもかかわらず、旅行で気が大きくなってしまったようで、いつもに増してお酒を沢山飲んじゃったそうです

その晩、膝に激痛が走ったと教えて下さいました。
聞いてみないと分からないものですね。
車椅子で降機なさる時は、申し訳なさそ~に去って行かれました。
お連れさまも深々と何度もお辞儀をして降機されました。
我々は特に何かが出来るというわけではありませんが、凍りついた空気感をほぐすことくらいしか出来ません。
それにしても、大人の男性の絶叫は雷が落ちるが如くの大音響。
赤ちゃんが泣いているのなんて可愛いものですよ

L&Rアカデミー
太田真美子