こんにちは

沖縄は今日梅雨入りしたようですね。
昨日は、様々な人種や宗教に関して乗務員はどんな対応を機内でしているかをちょこっと書きました。
結構反響がありました。
「難しい問題にも直面するんですね。」
普段、普通に生活しているとなかなか出会えない人達。
先日、子供の同級生のママさんが、お子さん3人を連れて羽田からエールフランス便でパリまで行ってきたよ、と話してくれました。
「通路を挟んだ反対側の席の人がコーシャーミールを食べていたんだけど、コーシャーミールって美味しいのかな
」

コーシャーミールとはユダヤ食です。
ヨーロッパ方面の便には必ずいらっしゃるお客様です。
「いや~、流石に食べたことがないわ。」
見た目は普通の機内食ですが、箱に入っていてしっかりとお祈りが施されたテープが貼ってあります。
ユダヤ教徒ではない我々が勝手にそのテープを剥がすことは邪道で、ヘブライ語のお祈りをしたユダヤ教徒だけがテープを剥がすことを許されます。
日本にはあまり馴染みのないユダヤのお客様ですが、フライト毎に私の浅はかな不理解が許せなくなり、一時期ユダヤ教について沢山の本を読みました。
一度、コーシャーミールをお客様にお持ちして、そのお客様がヘブライ語のお祈りを捧げた後、勇気を出してお客様に尋ねました。
「どんなお祈りをしているのですか
」

すると、お客様は
「英語では説明しにくいです。古い言葉ですから。」
ズコッ。
それが聞きたかったんだよ。。。

コーシャーミールの他に、機内食にはお肉が食べれない方(健康や宗教上の理由で)用にベジタリアンミールもありますし、イスラム圏のお客様用にポークの入っていないハラールミール、ヒンズー教のお客様用にビーフの入っていないヒンズーミール、また、糖尿病を患っている方用のお食事、アレルギー対応のお食事など、あげれば切りが無いくらいです。
昨日も書きましたが、どんなお客様にもご希望に沿った、美味しい機内食を味わって頂きたいですし、それによって目的地まで快適にお過ごし頂きたい、乗務員は心からそう思っているんです

愛がありますよね~。
たかが機内食、されど機内食。
日系企業の機内食は世界でもトップクラスではないかな。
以前、サンパウロからの便で日系ブラジル人のお婆さまが杖をついて泣きながらご搭乗下さいました。
日本へ初めての里帰り。
ブラジルに移民してからは一度たりとも里帰りしたことがないと仰っていました。
ふとお婆さまを見ると泣きながら機内食を召し上がっていました。
「鶴丸を見て、涙が溢れました。そして機内食で和食が食べれたことが何よりも嬉しいです。日本の味はとても美味しいです…」
私も日焼けしたお婆さまの手を握って一緒に泣きました。
いろんなお客様の想いを乗せて、今日も沢山の便が上空を飛んでいるんですね

L&Rアカデミー
太田真美子