ボクは以前、スタバで働く女性に一目惚れしたことがある。

彼女は、お客さんだけでなく、
店の同僚にも変わらぬ笑顔で応答していた。
きっと、彼女の笑顔は営業スマイルとよばれるものではなく、
成長の中で彼女の一部になり、
それは意識せずとも、自然と生じるものなのだと思った。


おつりを渡すとき、
コーヒーを作って渡してくれるとき、
そっと手を添え、
笑顔で「ありがとうございます」と言われたら、
その日の疲れなんてふっとんでしまった。


彼女に会うことを目的に2~3ヶ月、ほぼ毎日のように店に通ったように思う。
その日その日のコーヒーの味は、
彼女の存在の有無で、いかようにも変わってしまうから不思議に思えた。

ボクには気になる女性が3人いる。

一人は駅ビルの花屋で働く小柄な女性。

二人目は祖母のつきそいで寄った薬局の受付の女性。

そして三人目が、ジュエリー売り場の女性。
それ以来、ふとした瞬間に彼女のことを考えていたりする。


あんなにも美しく見えたのは、
ジュエリーを輝かせるために向けられたライトによるものなのだろうか。


そして今日の帰り道、
何も用事のない駅ビルに、
彼女の存在を確かめにいった。


しかし、そこにいたのは、
ジュエリーの輝きを中和するような、
二人の年配の女性従業員だった。