小学生の頃お弁当を忘れて登校した。
母が気付いて教室まで届けてくれた。
僕がお腹を空かせないように。教室で途方に暮れないように。
「用が済んだら早く帰れ!」と僕は母に怒鳴った。
教室に母が来たのが友達に恥ずかしかったからだ。
家では荒れてる自分を友達の前で装ってみたかったからだ。
言ってしまって激しく後悔した。
家から小学校までは2km以上ある。登りの坂道だ。
母は歩いて弁当を届けてくれた。
母以外の一体誰がそんな無償の優しさを僕に注いでくれると言うのだ。
帰ったら直ぐに母に謝ろうと思った。
けど、家族って難しい。小学生の僕は母に謝ることが出来なかった。
最低だ、と思い、ずっと心にわだかまりが残っていた。
先日ふと昔の話になり母にその時のことを謝った。
もう相当前の出来事だけどね、笑。

振り返ると愚かな振舞いは他にも沢山ある。
自分が軽蔑する振舞いをしてしまったことだってある。
情けなくて恥ずかしくてそんな自分がイヤになる。
自分など大した人間じゃないんだ、と思い知る。
けど、事実は変えられない。
自分を驕らず誰に対してもフラットな人でありたい。
優しく愉快な人になりたい。素直な人になりたい。
自分が軽蔑するような振舞いは二度と繰り返したくない。
そのために過去の愚かさを赦さず忘れずにいよう、と思うんだ。

そして誰かを裏切ってしまった人のことを思う。
思い出すと頭に来るし悲しくもなる。
けど本人はもっと自分を赦せない気持ちでいるのかもしれない。
それでもぐっと堪えてこらえて頑張っているのかもしれない。
裏切りは赦せない。けど、その人の気持ちを慮ることは必要だ。

そんなこんな。時々自分を戒める。
「大したことないぞ、自分。調子にのるな」