『時森』の中でニムが共感したと話された・・・ | パク・ヨンウ☆だぁ~い好き(*^^*)  

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『時間の森』の中で、山尾春美さんを訪ね、

「山尾三省先生の著作の中で最も共感した部分は・・・」とニムがおっしゃる場面があります。


映画の台詞としてシナリオに書かれたものなのか、

実際にニムが山尾先生の本を読んで感じられたことなのか、

たしかなところはわかりませんが、

原文がみつかりましたので、ご紹介したいと思います^^


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三月の末から四月の初めにかけて、季刊の『グローバルマインド』という雑誌を発行しているガイヤトラストという団体が主催する、三泊四日の屋久島セミナーが行われた。

 その内の午後の半日をインストラクターとしてまかされたのだが、ぼくとしてはあれこれ考えた末、この島で西部林道と呼ばれている県道の一部をただ歩いてみることに決めた。

 西部林道は島一周道路の一部であるが、そのあたりは地形が急峻なため集落が形成できず、約二〇キロにわたって無人帯が続き、道路の左右から生い繁った樹木がトンネルを作っている、原生に近い森の中の道である。

 二〇人ほどの参加者と共にただその道を歩くのだが、ぼくとしてはそれにつけて三つの条件を伝えた。

一、ゆっくりと決して急がずに歩くこと。

一、誰とも話さず、沈黙を守って歩くこと。

一、できれば、カミに出遇うつもりでそれを探しながら歩くこと。

 カミという人間の深い喜びについては、これまでにも折に触れて記してきたが、僕たちがそれに出遇って心からよかったと思えるものがあれば、それが草であれ、樹木であれ、岩石であれ、海であれ、人であれ、昆虫であれ、ぼくはそれをカミという言葉で呼ぶ。

 なぜなら、カミというのは、太古から人間をして心からよかったと思わせてくれてきたものの総称だからである。それをカミなどとは呼ばず、ただ美しいもの、真実なもの、善なるもの、楽しいものと呼ぶことはもとより自由だが、その美しいもの、真実なもの、善なるもの、楽しいものをカミと呼ぶと、なぜかその瞬間にその楽しさ、善、真実、美しさはいっそう深まる。

 カミとは、すべての宗教団体を否定はせぬままに超越することができる、個人の究極の自由と喜びにかかわる事柄なのである。

 歩き始める前に、およそそのような短いコメントをしておいて、ぼく達は一時間ほどその西部林道をゆっくりと無言で歩いた。


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『ここで暮らす楽しみ』 山尾三省著 より