『血の涙』で注目を浴びられたころのインタビュー記事をご紹介しましょう~^^
雑誌『IN STYLE』のインタビューコーナー ”man of style” からですが、この本はおそらくファッション雑誌なのでしょうね。
当時ファッションになんてこれっぽっちも関心のなかった(だろう)ヨンウッチに、意地悪なくらい執拗にファッションに関する質問ばかり投げかけられていて、ちょっとイラッとくる部分も・・・
うひょひょ、でも我慢して読んでね。
ヨンウッチの美貌の秘密が暴露されてるよ~ん
デビュー以来10年という決して短くない間、裕福な家庭の末っ子のような彼のソフトなイメージは、出演する作品ごとに水が流れるごとく溶け込み、つねに自分にもっともよく似合う服を着ているように自然に映ってきた。しかし奇妙にも、人々は彼の顔とイメージだけを覚えていて、”パク・ヨンウ”という名前3文字は記憶されなかった。映画がヒットし、自分の役をソツなくこなしても、名前と顔を一致させ人々に覚えてもらうことに失敗してきた”期待される有望株”の座に固定され、留まっていた日々を、彼は映画『血の涙』によって痛快に吹き飛ばした。
人生とは決して楽観的なことばかりではないことを誰よりよく知っていると、だからこそ”厭世主義者”という別名までつけられたという彼。
豪快な笑いとともにはっきりとした口調で語ってくれた、顔なじみの彼の聞きなれない告白。
”スタイルという単語を定義するのは難しいと思います。正しい答えなんてありませんが、自分を他人と区別してくれるものこそが、スタイルではないでしょうか”
『血の涙』のイングォン役は、これまでのイメージと全く違いますね
基本的に、とても非情な人物です。軟弱な面と狂人的な面が共存する、多面的なキャラクターです。実際の僕はおとなしくて優柔不断な方ですが、演じるのは強いキャラクターの方が楽ですね。
歴史物、かつスリラーということで、撮影中の裏話もたくさんありそうですね
愛する女性を失って岸壁で絶叫するシーンがありますが、監督と意見が合わなくて1か月後に撮り直したんです。緊張して、コンテを見ながらうろうろしていたらセットの足下にあった1mぐらいの深さの水路に落ちてしまって。足首から鈍い音がしたのですが、監督がため息をついている姿を見ると、とても痛いなんて言い出せませんでした。さっさと撮影を終わらせて、次の日までにはコンピュータ・グラフィック用の撮影装置を撤去しなければならなかったんです。夜通し笑顔で撮影を続け、終わるやいなやマネージャーに担がれて病院に走りました。絶対に忘れられないエピソードです。
映画のヒットによって、女性ファンが大幅に増えたでしょう
まず、メロラインが僕の役にしかなかった。さらに、最近人気のあるキャラクターのひとつに、共感できる悪役ヒーローっていうのがあるじゃないですか。イングォンも、人間的に共感できる悪役だったので、受け入れられたのだと思います。ファンが増えたかどうかはわかりませんが、シナリオが前よりたくさん届くようになり、関係者の僕を見る視線が変わったのを時々感じますね(笑)
サイワールドにミニホームページを見ると’人生はつらいことばかりじゃない。だから、面白い’と書かれていますが、それが今の心境ですか?
それはむしろ反語的な意味の言葉ですよ。厭世主義者だと言われるくらい、うまくいってる時ほど疲れるんです。永遠に続かないとわかっているから、消えてしまったときの衝撃に備えておこうとするんです。そういう意味で、最近ちょっとキツかったので、元気を出そうと思って書きました。
幼いころを思い出せば
学生時代の僕は、これといった夢もなく、何ひとつ特別なところのない子供でした。女性にもてることもなく、勉強ができたわけでもなく、かといって反骨精神があったわけでもない。 今でも時々、中学、高校時代の同級生から、「当時のあの子が、本当に君か?」という内容のメールをもらいます。両親とも教員だったこともあって、逸脱とか独断的な行動というものを思い浮かべることすらなかった。
俳優になろうと思った特別なきっかけは?
浪人していた頃、体調を崩して3か月ほど入院しました。そのときに、このままだと僕の人生暗鬱だなぁって。進む道を決めなきゃならないって思ったときに、ふと演劇映画科に進学したらどうなるだろうって。最初は自分でも半信半疑でしたが、とても優柔不断だった僕が、そのときばかりは驚くほど決心が固かったんです。実技には自信がないし、成績だけで志願できる演出科に決め、1年間、本当に必死で勉強しました。偏差値を30点も上げるほどだったんですから。そんなふうに大学に入って、偶然エキストラのアルバイトをするようになってから、欲も出てきて今に至るわけです。
これまで演じてきた役の中で、一番スタイリッシュだったのは?
逆説的ですが、歴史物の『血の涙』だと思います。韓服がこれほどカラフルでファッショナブルだとは知りませんでした。
私生活でこれまで韓服を着る機会はたくさんありましたか?
大学の3回生のときだったと思います、生まれて初めて仕立てたんです。マゴジャ(韓服の上着。着物でいえば羽織のようなもの)まで、格式を整えて。当時、僕の家族はチャムシル(蚕室)に住んでいたんですが、韓服を自慢したくて、1月1日に友達とロッテワールドの広場で会う約束をしました。正月なんだから、他にも韓服を着てくるやつがいるだろうと思って。でも行ってみると、みんなジャンパーやコート姿で、自分だけマゴジャまでそろえた完璧な韓服を着ていったもんだから恥ずかしいのなんの・・・
本当に魅力的な男性ってどんな人のことだと思いますか?
仕事をするときには冷たいほどの理性をもった冷徹なプロでありながら、プライベートでは隙だらけでちょっと足りないくらいに見える人。僕の周りにいる器の大きい人たちは、みなそんな感じに思えます。そういう人たちは、同性の立場でみても心臓が震えるほど魅力的です。
自分の身体の中で一番気に入っているのは?
目ですね。瞳に濁りがないのが気に入ってます。
容姿を意識するようになったのはいつからですか?
中学生です。ほとんど毎日鏡を見て、鼻が低めに思われたから10分ずつ鼻をつまんでました。目も片方だけが二重だったので、一重の方に一生懸命爪で線を描いていたら、いつの間にか本当に二重になりました。
俳優も演技だけでなくファッショにも気を配らないといけない時代になったと思いますが
同感です。実はこれまで親しくさせてもらってきた先輩は、ソン・ガンホさん、チェ・ミンシクさん、シン・ハギュンさん、チョン・ジェヨンさんといった、服装にはまったく関心のない方々だったんですよ。だから僕も彼らの中でそういう雰囲気に馴染んできたわけですが、今回チャ・スンウォンさんと共演させてもらって、ファッションというのも俳優にとってとても大切な一部分だということを知りました。それは、卵が先か鶏が先かって問題だとも言えると思うんです。ファッションを重視して見た目ばかり繕っていては演技がおろそかになるし、演技ばかりに固執すると今の時代やぼったく見えるし・・・結論として中庸をいけばいいんだけど、これがまたとても難しい。
ふだん洋服を買う時に一番よくアドバイスをもらうのは誰ですか?
誰にも相談しません。格好良く着こなそうと思ったら洋服に愛情を注がなきゃいけないし、愛情があれば情熱も生まれてそれなりの努力をするようになるものですが、僕は洋服に対して愛情を感じないものだから情熱もなければ努力もしない。今日着てきた白のランニングが、一番最近買った服ですけど、それでももう1年ぐらいは前じゃないかな。
ショッピングは主にどこで?
ムンジョン洞に住んでいるので買い物はムンジョン洞のロデオ通りで済ませます。ブランドやデザイナーには興味がありません。最近ようやく、少しずつ興味を持ち始めたところです。
クローゼットから一番頻繁に引っ張り出して着る服は?
とにかくラクな服が好きです。だからたいがいジャージ(笑) でなければ半袖か袖なしのTシャツにGパン。あ、そうだ。去年のことですが、今着ている服のせいで紹介してもらった女性からお断りされちゃいました。2回デートしたんですが、2回とも袖なしのTシャツを着ていったんです。そしたら、どうしてそんなに誠意のない服装をしてこられるのかと叱られました。そのときはわけがわからなかったんですけど、今考えると確かにその通りですよね。

特別にTシャツを好む理由はありますか?
僕のクローゼットの中に一番たくさん入っているのがTシャツです。たくさんといっても20枚くらいですけど(笑) 着たときに窮屈だったりフィットしすぎるのは好きじゃありません。だからTシャツが、合わせるのも簡単だし、着ていて満足できるんだと思います。Gパンにいちばん似合うでしょ。痩せている方なのでTシャツを選ぶときはあまりタイトなものよりダボッと着られるものを選びます。
もしスタイリストなしで授賞式など公式行事に参加しなければならなくなったらどんな服を着ますか?
シンプルな黒のスーツに白のシャツで行きます。ネクタイは締めずにボタンを2つぐらい外すか、あるいはスタンドカラーのシャツにするか。
生まれて初めて袖を通したスーツって覚えてますか?
初めてスーツを買ったのは大学の入学式のときですが、着たのは中学生のときでした。『男たちの挽歌』を見て感銘を受け、登場人物たちがあんまり格好良かったのでタンスにあった父と兄のスーツをこっそり着てみました。そのとき撮った写真が今も残っているのですが、肩幅も合ってないし、襟元もだらしなくてすごく笑える。でも当時は自分がすごく格好良く見えたんですよね。
女性がもっとも美しく見えるのはどんなときですか?
自分自身が女性であることをしっかりと自覚しているとき。やはり女性は女性らしいときが一番美しい。個人的には手と唇の美しい女性に惹かれます。
結婚を意識される年齢だと思いますが、結婚したいと思う女性は?
もちろん外見や生まれ育った環境も重要ですが、何より友達のような人と結婚したいです。たとえ楊貴妃のような美貌の持ち主でも夢中になれるのは長くて5年、短ければ2年ぐらいで終わってしまうと思います。結局、そういうのを克服しようと思ったら情熱を超える何か、途切れることのない情というか義理というか・・・そういうものが必要ではないでしょうか?
恋人に洋服を贈るとしたらどんなものを選びますか?
デニムのスカートかGパンにします。僕はなぜか、デニム地のスカートをはいた女性に弱いんですよ。
『地の涙』ではキスシーンが印象的だったともっぱらの評判です。経験から生まれた演技でしょうか?
かぞえで35ですよ。この歳になるまで全く恋愛してこなかったように見えますか?かなり長くつきあった彼女もいました。あのシーンでは恋愛感情よりもっと切迫した感情を表現しなければならなかったので濃密でありながらも切ないキスが求められました。韓服を着てカッ(朝鮮服の帽子)を被った男があんなに粘っこいキスをしたので余計印象が強かったんでしょう。
男性として、必ず備えていなければいけないと思うものは?
唇に湿り気があって鍛えられた身体の男性は、どんなアクセサリーを身に着けるより洗練されてセクシーだと感じます。なので、リップクリームは絶えずポケットに入れておこうと思ってます。
今、いちばん欲しいものは?
心の平和。ともすると自分でストレスを作ってそれを溜め込んでしまうので、心を窮屈に締めつけないで、どんな状況でもゆとりを持ちたいですね。
(訳文文責:ハギ)