Aしずかに目を閉じて「わたし」から遠く離れたところまで色のないよどみがすっかり干からびてしまうところまでどうやってきたのか忘れちゃったからまぶたの血肉を透かしてみせる陽ざしがぜんぶピンクだったからもうこれでいいんじゃないかなって思えたのちいさい頃あのひとが連れて行ってくれた森の奥で嗅いだ湿って腐りかけた落ち葉やきのこのかおり葉陰でじっと息をひそめるちいさな虫の眼そんな嘘の記憶を想い描いてみるそうして白昼夢から半透明の現実へ戻る最中にすこしだけ涙が出るなにも感じてないのに