クレイの王者ナダル、バルセロナ7冠達成 | マレー・ファン@ラブテニスワールド

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英国テニス・ナンバーワン選手のアンディ・マレーを応援しながら、
ロンドンでの暮らしを綴るブログです♪
マレーがついに2012年ロンドン五輪で金&銀メダリストとなりました。
一緒に応援してくださった皆様、本当にありがとうございました!

やっとオランダの旅から帰ってまいりました!
その間にバルセロナではいろいろとありましたね~。

錦織圭の棄権、ミロニッチ(ミロス・ラオニッチを略して・笑)の
憎たらしいほどの脅威サーブによるマレーの敗退など。

特に残念だったのは、もしかしたら錦織とナダルの準決勝だった
かも…ってことですね。

私も大会の様子は時間がある限り追っていたのですが、どうも私の
iPadとホテルのネットの相性が悪く、途中経過がアップデート
できなかったので、とりあえずは結果から!

昨日行われたラファエル・ナダル(2)vs ダビド・フェレール(6)
バルセロナ決勝はスペイン人同士の接戦となりましたが、
ナダルが7-6, 7-5 で大会7度目の優勝を決めました!

バルセロナ・ナダル7度目優勝


ただスコアからも分かるとおり、さすがのナダルもフェレールを
倒すのに四苦八苦。2セットとは言え、なんと2時間40分という
マラソン試合となりました。

イギリスでは『スペインのテリア犬』というあだ名をもらっている
フェレールですが、その理由は、どんなに相手が自分より大きくて
パワフルでも最後まで諦めないところにありますね。

今大会のフェレールはまさにこれを地で行ったという感じ。

特に凄かったのはミロス・ラオニッチとの準決勝。ラオニッチのサーブを
ブレークするのはほぼ不可能(
ファーストサーブが入った場合、勝率は
時には100%近く
)ですが、フェレールは『ラオニッチ対策のお手本
ともいえる耐久試合を繰り広げ、7-6, 7-6 というスコアで勝利!


話は飛びますが、まだ21歳の新星ラオニッチは今後テニス界で
大きく台頭してくると思われる選手ですね~。


とはいえ、彼のプレイ自体は
イスナー、ベルディヒ、アンダーソン
並んで、
サーブが強力すぎて試合を見ててもつまらない…。
以前エイプリルフールのジョークで取り上げましたが、彼らこそ
時速100マイル以上のサーブ罰金」の対象にしてほしい(笑


さて話は戻り、ラオニッチの巨大な壁を破ったフェレールですが、
ナダルとの決勝での1セット目では、6-5とリード。

なんと5度のセットポイントを向かえた末にタイブレークへ。
ここまでは、どちらが勝ってもおかしくない状態。

ところがここで少し力が緩んだのか、フェレールはミスを連発。
ナダルにポイントを次々に許し、最後はダブルフォルトで7-1となり、
1セット目をナダルに譲ってしまいました。

2セット目では早々にブレークしあったあと、お互いにブレークの
チャンスを逃し合い、6-5となります。

ところが、ここで突然ナダルがぐーんとラストスパート!

ナダルはフェレールのサーブを0-40でブレーク、7-6, 7-5
7度目の優勝を飾りました。

もちろんナダルの功績は素晴らしいとは言え…


かわいそうなのはフェレール


二人の試合の内容もそれほど差がなく、本当に紙一重の差。
せめて1セットくらいはとってほしかったですね~。

でもこれが他の選手とナダルとの差なのかも知れませんが…
ナダルはフェレールとの決勝をこう振り返りました。

「今回はとても同等な戦いだった。1セット目では彼は
 僕が最高のレベルで戦うことを許さなかったしね。
 ダビドには同情しているし、ここでいつか彼が勝つことを
 願っているよ。

 でも2つのタイトルを連続で取ったことは嬉しいし、
 こんな風にクレイコート・シーズンを始められて
 もちろん満足している」


さて再び信じられないような記録を作ったナダルです。

ナダルが最後にバルセロナで負けたのは2003年のこと。
アンディ・マレーの元コーチでクレイコートの達人、
アレックス・コレチャがそのときの相手でした。

それ以降、2010年の膝の故障で棄権したことを除いては、
なんとバルセロナ全勝。

「7回もここで優勝したのが信じられない。
 地元で、しかも僕の知っている人たちの前で
 勝つことほど素晴らしいことはないよ。

 モンテカルロでもバルセロナでも、僕は非常に
 ハイレベルな試合をして、セットを一度も
 落とさずに優勝することができたけど、実は
 今年の全豪オープンから、ずっとハイレベルな
 試合をすることができているんだ。

 優勝の感動はいつも素晴らしいけど、年をとるごとに
 さらにその度合いが上がるのは、この先あと何度
 チャンスがあるか分からないからかもしれない」


また今回の優勝により、モンテカルロ8冠と合わせ、
7度以上の優勝を2大会で果たした初めての選手
なりました。

さらに記録は続き…

今年はナダルのプロ入り10周年記念で、このトロフィーが
48本目という脅威の記録。

とは言っても、ここからが正念場。

このあとマドリッド、ローマの2マスターズ大会へと続きますが、
去年ナダルは二度とも決勝でジョコヴィッチに倒された上、
全仏オープン優勝のあとジョコヴィッチに7連敗という屈辱を
味わっています。

ということで、今年のナダルはマドリッド&ローマの栄冠を
ジョコヴィッチから剥奪すること、そして全仏オープンの
タイトルを保持するという大きい課題が待っています。

さて、これからの展開はどうなるのでしょうか?

2週間前に行われたモンテカルロ決勝では、ナダルが
ジョコヴィッチに圧勝(6-3, 6-1)。
モンテカルロ:ナダル8連覇!ジョコ「精神的に力尽きた」

ジョコヴィッチの祖父の死が試合に影響したという見方も
できますが、理由はそれだけではないようです。

ハードコートシーズン中のナダルは、今まで以上に
慎重でした。全豪オープン以降、3月までは休養。
しかもマイアミのマレーとの準決勝も棄権しています。

それもこれも、ナダルにとって一番重要であるクレイコート
シーズンに向けてのコンディション調整のため。

その間、ナダルは『ジョコヴィッチ対策』を練ってきましたが、
モンテカルロで注目されたひとつが、サーブのポジション。

右利きの選手が相手だと、ナダルは左利きの特性を生かして
相手の
バックハンド側にスライスサーブを打ち込むのが普通です。

でもジョコヴィッチは世界でもっとも素晴らしいバックハンド・
リターンの持ち主とも言われており、この戦略が
過去の試合ではどうもあだに。

そこでモンテカルロでは、ナダルはジョコヴィッチのフォアに
集中してサーブ


1セット目の最初のナダルのサービスゲームでも、なんと
6回中
5回のファーストサーブがジョコヴィッチのフォアハンドに集中。

さらにナダルは『サーブ+フォアハンド』の組み合わせを
戦略に取り入れました。

無理なポジションからでもフォアに回り込むナダルの姿は
お馴染みですが、今回はジョコヴィッチのリターンのうち、
なんと81%をフォアハンドで受けています。それが効してか
勝率も72%

モンテカルロ決勝後、ナダルはこう語っています。

「今回は僕のサーブがとっても重要な決め手となった。
 もちろんサーブによってフリーポイントも得たよ。
 でも一番重要だったのは、サーブを入れた後、フォアに
 回り込んでコートに入ることができたことだ。
 これが大きな違いを生み出したんだ」

またジョコヴィッチの武器はパッシングショットであるため、
今回は中心ライン上にボールを落とすことに専念したようです。

「サーブを彼のフォアハンドに入れたあと、なるべく
 コートを広げないことに専念したんだ。

 他の選手だったらコートを広げれば広げるほどこちらに
 有利になるけど、彼の場合は逆なんだ。
 というのも、次のショットでさらに角度をつけてくるからね。

 だからサービスラインぎりぎりにボールを返すこと、
 しかも中心を狙うことにしたんだ。
 そのあとはフォアでポイントをコントロールすることに
 専念した。そのおかげでボールの方向を自在に操ることが
 できたんだよね」

と、今回はナダルの作戦勝ち!

もちろんジョコヴィッチのことですから、前回の試合を
何度も見直して『ナダル対策』を練ってることでしょう(笑

次の二人の試合がどうなることやら、これまた楽しみです♪

さて、ビヨン・ボルグが「ラファエル・ナダルは歴史上最も
素晴らしいクレイコートプレイヤーだ」
と言ったことは有名。

現在ボルグと並んで全仏オープン6冠王のナダルですが、
あともう一度優勝すればボルグの記録を超えて7勝となり、
事実上のクレイ王者となるわけです!

と、王者といってもどれほどのものなのか…


この10年間のラファのクレイシーズンでの戦績を
振り返ると、その王者ぶりがあらわに(°д°;)


モンテカルロ・マスターズ:44勝1敗
バルセロナ・オープン:  35勝1敗
マドリッド・マスターズ: 24勝7敗
ローマ・マスターズ:   31勝2敗
全仏オープン:      45勝1敗


うううっ、マドリッドを除いては凄すぎる~っ!

今後さらにどんな記録を伸ばしていくのか、
とっても楽しみですね♪