空を見上げて、あたしは両手をぐーんと伸ばした。
カフェオープンの日に、この青空。
あたし、ツイてるな。
カフェが大好きで、色んなカフェを求めて歩きまわってたあたし。
いつしか、、、
-自分でカフェをやりたい-
そう思うようになっていた。
そして、今日、その念願叶って、あたしはカフェのオーナーになったんだ。
カウンターに3席と、テーブル席ふたつの、小さな路地裏の店舗。
大通りから外れているから、人目に付きにくい。
だけど、、、
それでも、あたしにはここが自分のお城のように思えていた。
このカフェで、たくさんの人の笑顔が見たい。
あたしが今までカフェでもらってきた幸せを、ここに来る、全てのお客様に分けてあげたい。
「よしっ!頑張ろうっ!!」
あたしは空に向かって、そう叫んだ。
「しのさーん、こっちの準備終わりました。」
「あ、ありがとう。」
あたしは唯一のアルバイト店員、さくらに呼ばれ、振り返った。
すると、あたしの目の前に、カフェオープンの看板が置かれていて、準備が整っていた。
「・・・ワクワクするね。」
「はい♪」
あたしはこれから始まる物語に、、、
高鳴る鼓動が、抑えきれなかった。