『数学note』 第2章 選択授業
なんだか分からないけど・・・
先生に話しかけたくなった。まぁ、普通に先生として仲良くなりたかった。
「せ、先生・・・私、本ッ気で数学できないんで;」
「ぇぇと・・・名前・・・
「ぁ、松永です・・・!!」
「ぁ、ごめんごめん。まだ名前覚えきれてなくて松永・・・夕菜さんね」
一旦名簿に目を落として、目をみてえくぼを見せた。
部活の練習も、先生とは今のところ一番仲のいい生徒かな。
沙希も
「どうよ、最近選択以外の授業でも数学は調子いいんじゃない??」
「ぇ、そうかなぁ。苦手だけどねー」
でも、よくいうよね。
熱心になると得意になる って。
先生が親しみやすいからかな。
部活も一緒、苦手な科目の先生、やけに馬が合う
こんなんは、スキになってしまう要素と違うかな。
これからはセクシー系で攻めようwなんて、もう行動に移そうとしてる
自分がいた。
本能は、脳よりも敏感なんだ、って。
いつもはナチュラルメイクだけど、ナチュラルよりもう少し濃く
バレない程度に、
香水もきつくない程度に、
「せんせい、せんせい」
もう口癖になってしまう。
最初は驚いてた先生も、もう今となっては「なんだよー」と
いいつつ真剣に話を聞いてくれる。
彼のそんなとこがスキだ
放課後補習で最後まで残って先生に悩み相談したり、した。
またそんなことが何回か続いて、欠かせない存在になった。
私の恋愛経験を話すと先生も打ち明けてくれた。
「俺ね、今妻と2人暮らしなんだ。まぁ、家は県内だけど、ここから離れてるから
いつも帰りは遅いんだけどね」
だんだん暗くなってきたね、なんて外を見回しながら言う
そんな目でみないで。
もっとスキになっちゃう
「車だから、近くまで送っていこうか」
「・・・・ぇ、いや・・・・・いいんですか??」
彼は得意気に微笑む。
車の中、校内模試のはなし、現国のハゲた先生のはなし・・・
あとどんなはなししたっけな。
一回話は途切れた。
「・・・・・・なんか帰りたくないな・・・眠い・・・
先生の車居心地いいね」
「え・・・??」
「ぁ、いや、変な意味じゃなくて」
本当は変な意味かもしれない。
「・・・・・実はね、先生。私今日の朝お母さんと喧嘩してきちゃって。
帰りにくい・・・。」
「喧嘩したなら、なおさら早く帰ったほうがいいんじゃないか??」
「・・・・」
「どうする??」
これ以上押せなかった。
そもそも先生と-なんて考えていいものかな。
しばらく星のない夜空と乾いたワイパーを眺めていた。
「じゃあ・・・なんかあったら呼んでいいから」
といって先生は自分の手帳を取り出しなにやらメモして
最後のページを破き、私に差し出す。
そこには
アドと番号があった。
続く