あれから事態は急変した。
近頃の私は忙しさの中にあって、
頭がゴチャついていた。
淋し君は会いたがって約束をとりつけてくるし。
でももう心は決まってた。
私はやはりそんなに器用な人間じゃない。
ひとりしか愛せない。
だけど愛したい人にはもう・・・
でも心には嘘はつけない。
整理をつけようとしていた。
それで私が一人ぼっちになってしまってもかまわない。
もう強がるのは疲れた。
いつものように仕事後の電話がハム君からかかってきた。
家に着くまでずっと話していた。
そしたら急に「今から迎えにいく」と。
半分は冗談で言っているのは分かってたけど。
忙しいと言ってるのに、約束もせずそんなの無理だと断った。
するとハム君は色々忙しいからしばらく会う機会がない、とかゴニョゴニョ言い出して。。。
なんか険悪なムードなまま、ハム君の充電切れで電話は終わった。
しばらく電源は入らなかった。
たぶん酔っ払って眠ってしまったのだろう。
悲しくて悔しかった。
あなたにとって私はやっぱり、すぐできる便利な女でしかないのか?
しばらく会えないのは、結婚の準備のためなんでしょ?
そう思ったら急に寒気がしてきた。
今までのあんなに嬉しかった思い出が冷えていく。
私たち、ケンカすら出来ないんだね。
恋人同士じゃないもんね。
翌日何度も電話やメールが来たけど、
応えなかった。
応えればまた同じ事を繰り返してしまう。
だから私は、
一方的に彼を責めるようなメールを送った。
電話もう出ないよ。
遊びだったんだよね。
いつもそっちの都合ばっかだもんね。
もう会えないならハッキリ言えばいいのに。
今までありがとう、お幸せに。
彼からは、
いっぱいごめんなさい
いっぱいありがとう
そんなメールが帰ってきた。
否定してくれないんだね。
ああ、もう本当に終わっちゃったんだ。
本当は分かってた。
彼がそんな適当な気持ちで私に接してたんじゃないって事。
人の親切があんなに嬉しかった事なんてなかった。
だけど、
こんな誰にも歓迎されない関係はやっぱりだめだよ。
私は今まで結婚したいとも子供が欲しいとも思ったことがない。
でもあなたは違うでしょ?
そして彼女にとってもそれは大きな幸せなんだもの。
裏切っちゃだめだよ。
幸せな事に、私にはやることがいっぱいあって、
悲しみに浸り続ける時間はなかった。
色々と理由があって淋し君と会うことになった。
話しながらも、もう私の気持ちはこの人にない事をひしひしと感じていた。
仲間や友人としては大好きだけど。
でもこの人も、なかなか心の寂しいやっかいな人だから、
ひとりぼっちにするのが心配だ。
どうすれば。
そんな事を考えながら淋し君の話を聞いていたら、
携帯が鳴った。
ハム君からだった。
酔った勢いでかけてきたのかな。
でも出ることはできない。
このタイミングも、運命なのかな。そう思った。
風邪やなんやかんやで体調が悪い。
弱気になってる私に、淋し君のメールは冷たいものだった。
気合で治せ、だって。
この人はやっぱ自分の事でいっぱいいっぱいな人なんだな。
バカみたいにメールしてくるけど、全部自分の事と、好きだって言葉ばかり。
好きだ好きだってすごく求愛してくれるけど、
私はそんなのが欲しいんじゃない。
ほんの少しの優しさが欲しいんだよ。
好きってなんなの?
こんな時ハム君だったらなんて言ってくれるかな。
前風邪ひいたときは、心配して病院まで連れてってくれたんだよな。
あの人は淋し君とは真逆で、
優しすぎるほど優しい人だから・・・
体調悪いと弱気になるな。
もう甘えられないのに。
ハム君に会いたい。
でもだめだ。