3台の車を乗り終えた僕達は、近くの喫茶店に入り、
お互いの意見を話し合うことにした。
「うち正直、さっきの車がいいわ。」
と、佐和子が切り出した。
「あれ、オートマやし、4WDでパワーもあるし、
少し高いけど、こっちで仕事してる人なら、
そこらのよく分からん人とかから買うよりも安全やろ。」
「まぁね。でも、2台目は日本人だし考える余地が少しあるから、
結論はもう少し待ってくれない?」
僕は、高い買い物の為、今すぐの結論を嫌った。
車に関してたいして詳しくないので、実は車の良し悪しはピンと来なかった。
ただ一つ、4WDのエンジン音が少しうるさいのが気になった。
かと言って、ボンネットを開けてみたが、
傍目には特にエンジンに問題があるようには見えなかった。
佐和子があの車を非常に気に入っているのはすぐに分かったが、
僕としては考える時間がほしかった。
「わかったわ。でも、今日の車、
明後日までに返事しなきゃいかんから、それまでな。」
「わかった。」
そうして、結局この日は結論を見送った。
僕は1日悩んだ結果、佐和子も気に入っている4WDを買うことを決めた。
1年間の滞在を考えた時に、やはり高くても良い物が良いだろうと思った。
早速2人で連絡を取り、卒業の3日前に2人で折半して購入した。
実際、購入を済ませ、自分の車という実感がわいてくると、
僕は何とも言えないうれしい気分になってきた。
佐和子もお気に入りのようで、とりあえず出発まで車は
佐和子の家に置く事にした。
3日後、無事卒業した僕達は学校の仲間とパーティを開き、
次の日からさっそく次の冬篭りの為の滞在地を決める為、
旅立った。
僕はお世話になったMikeとAvaのホストファミリーと別れる前に、
お互いのメールアドレスを交換して、連絡を取り合う約束をした。