★コピーライターが思わず ! となったコピー。 -31ページ目

動画のブログと広告の融合?

明日のサッカーW杯予選の日本代表について、
ネットで読んだ記事の見出し

最強システム完成だ!『王様のボランチ・中田英』

TBS系の情報番組「王様のブランチ」がオンエアされて
いない地域は何のことだか分からないと思うが、
明日の中田のポジションと番組名をもじった表現。
思わず笑った。

負ければ何かとヤリ玉に挙げられる中田だが、
イラン戦の中田は言われるほど、
悪いできどころか、予想より良いパフォーマンス
だったと思う。日本の得点は、彼からのパスだったはず。

万一監督が更迭になっても、あの貪欲なほどの
勝利へのメンタリティがある限り、中田は必要なのだ。

ところで、こちらも日本代表みたいなもの。


★今回の!なコピー。


LIVE/中国/ANA
はじまる。



航空会社ANAの広告で新聞全15段。しかもカラー。
ここ最近、JALの体たらくが話題になっているだけに
ANAのCMは元気の良さが目立つ。
羽田の新ターミナルのCMでは、飛行機がくるくると踊っていた。

この広告、コピーだけでは何の広告か分からないので、
じっと見てしまう。
先月あたりに出ていた芝浦アイランドの

島、
都心。


というコピーにも通ずる、分からなさ故のインパクトがある。
このANAの広告だが、コピーよりも目立っているのが、
有名タレントや俳優などの名前の羅列。

速報/第1次/特派予定者
という文字の下に

001宮崎あおい
002永瀬正敏

…と10人の名前が並んでいる。

ひと目見ただけでは分からなかったので、
よくボディコピーも読んでみると、

この広告は、ANAの中国キャンペーンの広告だということ。
特派員に選ばれた有名タレントたちが、中国に行って
ありのままの中国をビデオでレポートすること。
どこに行って、何を撮るかはレポーターに任せること。
その模様をCMやネット上で見ることができること。
以上のことが分かる。

ボデイコピーのなかにある、

平成の小野妹子。
21世紀の遣唐使たち。


という表現がまさにこのキャンペーンの
キモを言い得ている。
レポーターたちがこだわった、レアな情報で
LIVEな中国を伝えようとするのだ。
旅行者のあなたも参加者です。と書いてあるので、
そのうち一般ピープルも参加できるのか。

言ってみれば、CM上で動画のブログをやるようなもの
そんな印象を持った。

見方を変えると、この手法は
これまでの企業側から発信する情報に
うんざりしている消費者のホンネというのを
意識して考えられたのか。

こうでもしないと、広告は見透かされるのだ。
広告よりもブログや掲示版の情報の方が信じられる時代だし。

この試みも、レアな情報という価値
から考えると面白い手法なのかもしれないが、
広告である以上は、やはり情報の選別はあるだろう。
本当にLIVEでワクワクする情報を伝えることができるか、
それは分からない。レポーターしだいというのもある。

いずれにしても、今までのような
タレントを外国に行かせて「素敵!」とか
「感動しました!」と言わせるような、
まるでタレントのPVのようなうそ臭い
型にはまった広告よりは面白くなるかもしれない。

送り手側主導の広告なんぞ、消費者のマインドは
ピクリともしない時代なのだ。

この広告が、今後どのような様相を見せていくか
注目はしたいが、ネット上で公開しているレポート
見る限り、中国に行ったことのない私が言うのもなんだが、
ステレオタイプの中国イメージということで、

今流行の<想定の範囲内>という印象だ。

観光ということを意識しなければいけないのだろうが、
ものすごい勢いで変わりつつある姿と
依然として変わらない姿を併せ持つLIVEな中国を
伝える、これまでのイメージを
覆すようなレポート<見たことのない中国>を見てみたい。

必要なクリエイティブは、わずか20%

最初の会社を辞めた後、次の就職先を探していた17年前のこと。
東京、新宿にある広告代理店に面接に行った。
会社名は忘れてしまったのだが、主にラジオCMを取り扱っている
小規模の代理店だったと記憶している。

面接は、その会社の社長さんが行ったのだが、
その時に、コピーライティングについて言われたことがある。
その時、他にどんな話をしたか忘れてしまっているし、
社長さんの名前も顔も忘れてしまっているのだが、
その言葉だけは、今でもはっきりと覚えている。

★今回は!なコピー。…を書くための言葉。


50%の商品知識と、
30%の常識と、
20%のクリエイティブ。



それは、コピーライティングについてのアドバイスだった。
コピーを書く上で、必要な能力の配分をそう表現したのだろう。
当時、だんだんとコピーを書くことを、面白く感じていた
時期だったのだが、良いコピーとはどのようなもので、
それを書くには何が必要かについては、よく分からなかった。
ただ書きまくっていた。

ここでいうクリエイティブとは、アイデアや発想、
表現力、もしくは創造性。
(実は後に広告のクリエイティブとは何か、その答えも探す
ことになる。しかし、当時はこんな程度の捉え方だった)

常識とは、常識的なコミュニケーション能力や価値観、
ものを見る視点、文章力というように理解していた。

この頃、よく駆け出しのコピーライターが陥りがちな、
言葉をいじくりまわすことだけには一生懸命だった。
しかし、それが良いコピーを書くために必要なことだとは
思っていたわけではなく、良いコピーを書く方法やヒント
を模索していたのだと思う。

その時期に出会ったからこそ、今でも覚えているわけだ。
当時の私は、おそらく

50%のクリエイティブと
30%の常識と
20%の商品知識


で、コピーを書いていたような気もする。
そのために、面白いコピーであったかもしれないが、
広告のコピーとしては、なっていなかったと思う。

商品についての乏しい理解と
乏しい常識をクリエイティブで
ごまかしていた。

おそらく企業や商品の価値を伝えることに
機能するコピーが書けていなかったはず。
それに自分も、周りもクライアントも気づかなかっただけ。

経験の割には、文章力の上達も早かったし、
語彙も豊富であったので、一番大切な点が
抜けていたのだ。

この言葉が、コピーライティングの本質を
ついたものかどうかは意見のあるところだろうが、
少なくとも当時の私には、ちょっとした
驚きだった。そういうことが分かって
うれしくもあった。

コピーライティングの軸であると思っていた
クリエイティブのウェイトが、20%で十分だと
いうことなのだ。
この言葉を聞いて以来、一時コピーを書く時には
必ず思い出して、それをふまえて書くようになった。

では、常識があって、商品をしっかりと理解すれば
良いコピーを書けるかというと、そうでもないと思う。
そこを誤解してはいけない。

たしかに、必要なクリエイティブは少量かもしれないが、
20%のクリエイティブを発揮するためには、その何倍もの
クリエイティブ力を蓄えておかなければならない。

そんなことを自問自答しながら、仕事を続けてきたわけだが、
実は、良いコピーとは何か?
その答えを今でも探しているのだ。
もっとも何かしらのイメージはあるのだが。

人によって、それぞれだろうが、
その答えを探すのもけっこう楽しいなと思う。
この春で、私もコピーライターを始めて19年!

これは、誇大広告です。

コピーの表現が云々というよりも、
ここまで正直だと笑うしかない。

★今回の!なコピー。


このページは『聖マッスル』のように
見せかけた誇大広告です。



講談社の漫画雑誌<月刊アフタヌーン>の5月号の予告。
同社の<モーニング>の今週発売号で見かけた。

その広告とは…
全面に出しているのが新連載マンガの告知。
聖マッスル』という怪作?で知られる、
伝説の漫画家<ふくしま政美>の
新連載が始まることを大々的に訴求している。

ふつうだと、新連載の作品のタイトルや内容
のサワリが、紹介されるのだが、ここでは
その情報はほとんどなし。

その代わりに、誌面には『聖マッスル』の主人公の画や
『聖マッスル』という文字が、デカデカと載っている。
それに「大復活!!」という文字も大きく踊る。
おまけにご丁寧に<聖マッスルとは!?>と
作品の内容まで説明する始末。

これでは、『聖マッスル』の連載開始の告知と
思われても仕方がない。

※今回始まる新連載は『聖マッスル』ではありません。

と目立たなく書いているのだが、レイアウトが
ごちゃごちゃして気づかない。
ともかく紛らわしい広告なのだ。

ほとんどいないと思うが、
勘違いして、<アフタヌーン>を買ったお客から
クレームがくることもあるだろう。
そんなリアクションを想定してか、
自ら<誇大広告です>と断わりをいれているのだ。

さらには、
※と、一応懺悔したので、「この広告どうじゃ○?」と
J○ROに通報なんかしちゃイヤ。
と釈明。
ちなみにJARO(ジャロ)とは、社団法人日本広告審査機構のこと。

あまりに堂々とした誇大広告っぷり。
ウケ狙いなのだろうが、広告としてのツカミはまずまず。
誇大広告です>というコピーに、つい目が止まった。

ただし、『聖マッスル』やふくしま政美
知らない、興味がない読者にはあっさりと
無視されるよな。
それに筋肉隆々のこの主人公、全裸なんだもん。
ルックスも暑苦しいし。

例え知らなくても、興味がわくかなぁ。
ちなみに私は、この漫画のことは知っていたが、
読んではいなかった。

深く考えるほどのことではないが、
平気で誇大広告を出す広告主がいるなか、
ウケ狙いとはいえ、<誇大広告です>と
言い切る広告も珍しいので、
取り上げたしだい。
が、ここから得るものはないよ。ごめんな。

ウソをつかない、でも責任は負いたくない。

私は40代である。これまで比較的自分に正直に
生きてきた方だと思うが、それでも自分に
ウソをついてきたことも何度もある。
それによって、もたらされた結果については、
良い時もあったし、後悔したこともある。
ただ、そこで生じた責任の
ほとんどについては果たしてきたし、
果たしてないものについては、いずれ果たすつもりである。

今までも、これからも
自分に正直であろうが、ウソをつこうが、
生きていく上での代償と責任は払っていこうと思う。

★今回の!なコピー。

ウソつかない だからキズつく だからキズつける
ウソつかない だからスキ だからキライ
ウソつかない だからクルシイ だからラクチン
ウソつかない だからタタカウ だからアイシアウ
ウソつかない だからイタイ だからキモチいい
ウソつかない だから

もっと もっと 迷っていい もっと もっと迷おうよ
だから ウソつかない じぶんに


リクルートの広告。
学校を卒業した人への応援メッセージとみた。
やけに漢字が少ないな、なんてどうでもいいことだが、
大学卒業後、20年近く社会で生きてきた私には、
単なる自己中心的な生き方を肯定している
コピーのように感じた。

あなたはどう思うか?
10代、20代では、違う受け止め方が
あるし、賛否もあるだろう。
いろいろと迷っている方にとっては、
励みになるメッセージかもしれない。

自分にウソをつかず生きていくことは、
他者や社会との関わりにおいて、
時として大きな軋轢や摩擦、また責任が
生じてくるものだ。

それを受け入れ、その代償を
払う覚悟があればいいのだが、
そのような状況からも、自分にウソをつくのは
嫌だからと、逃げていては困る。
若い人に限らず、そんな人はけっこう多い。

権利を主張するなら、義務を果たせ

もし、真摯な気持を込めようと思うのならば、
そこまで伝わるような表現があってもいい。
だが、このコピーではそこまで感じない。
そこが惜しい。

それ故に、安直なメッセージに感じてしまうのだ。

私と違う印象を持った方もいるだろう。
ぜひご意見をお聞かせ願いたい。

地震に、自信がない。

以前の記事で、ダジャレのコピーとして、
ニッタ㈱の建築用の免震積層ゴムの広告の

地震に自信

を紹介したのだが、なんとパソコンや周辺機器用の
耐震マットを製造している会社プロセブン㈱が、
地震に自信>を商標登録していたのを、同社の広告で発見!
最初はキャッチコピーかと思ったのだが、
「。」(句点)の代わりに、Rマーク、
つまり登録商標を意味するマークがあったのだ。

地震に自信>なんて、誰も恥ずかしくて使わない、
ましてや、商標として登録までするかと思う人は、
まだまだ甘い。
最近何かと企業のリスクヘッジがあれこれと
言われているが、こういうことを
きっちりやる企業とそうでない企業の差は、
これから、どんどん拡がるだろう…と言いたい
ところだが、んー、地震に自信、どうかなぁ。
そう言い切る自信がないんだな。

★今回の!なコピー。

できれば使いたくないものですが、
使えるものだけご用意しました。



今週、生まれ故郷の福岡が地震に見舞われたせいで、
地震関連の報道や記事には、つい注目してしまう。

このコピーはデパート高島屋の防災用品の通販広告
非常食セット、避難セット、簡易トイレなどが販売されて
おり、すべて購入すると約4万円弱。
以前なら高いと思ってしまうが、災害時の
リスクヘッジコストとして考えるならば高いなんて言えない。

少々不謹慎であるが、
新潟、福岡とこれだけ大きな地震が続くと、
地震ビジネス>というマーケットは
(あるとするならば)これからの有望な成長
マーケットではないか。

国内だけでない、海外でも通用するはず。
地震国日本ならではのノウハウや技術は、
世界でもトップクラスのはずだ。
ITもバイオもアメリカに先を越されたが、
<地震>分野は負けないな。

高いポテンシャリティがありそうなのだが、
その前にだ。やはり国家プロジェクトとして、
地震のリスクマネジメントの構築は、急がねば
ならないと思う。特に地震に強いインフラは、
最優先ではないか。
官民上げて取り組んでいかないと、神戸や新潟、福岡
被災した方や亡くなった方の犠牲が無駄になる。

残念ながら、郵政民営化に血眼になっている
あの大将の下では、それが望めない。

今日の報道によると、福岡の地震の際に
官公庁や消防機関がNTTドコモと契約し、
災害発生時に優先して回線を利用できるという
優先携帯電話」が九州全域で約二時間にわたり、
つながりにくくなっていたことが判明
したという。
官公庁の方も仕方なく、自宅の不通になっている
固定電話を使っていたとか。

このようなレベルでは、心もとないよね。
日本は地震先進?国のくせして、
その備えはまだまだ脆すぎる。

昨日のニュースでも、30年以内に震度6度以上が起こる
予測地図が発表されていたが、福岡市は「やや高い」0.98%
東京の新宿区で11.2%
、お隣の横浜市になると、
グンと上がって32.4%。
大都市の大阪は21.5%
「みんなで行こう、みんなで行こう」と盛りあがる
万博開催地の名古屋で35.8%。
そして東海地方の静岡市は、なんと86.1%!

早く、地震に自信といえる国にならないと。

動く、キャッチコピー。

少しづつ暖かくなるのはいいが、
それにともない冬の疲れが出始めている。
だるい身体を叱咤しながら、仕事をしていると、
パナソニックの広告で、アユが言う。

ブレたら、負け。

はい、おっしゃるとおり。
イチローのバッティングのように、
ブレずに、しなやかに生きてまいりますと
天に誓いながら、東京・JR新宿駅を歩いていたら…

★今回の!なコピー。

優しいのは、最初だけ?


インターネットプロバイダー、AOL
学割BBキャンペーンのポスター。
交通広告をメインに、新宿、渋谷で広告展開中。

まずは、学生さんを、えこひいき。

というのが、キャンペーンのコピー。
理由は、この商品が学生を対象としているから。
ビジュアルは、遠目から見ると、ポカリスエットの
ポスターかと見間違えそうな、ブルーとホワイトの
シンプルなデザイン。

ポスターも何種類かあるようで、
ビジュアルは同じなのだが、コピーが違う。
駅構内の目につくところ、あちらこちらに貼られている。

キャッチコピーはさまざま。例えば…

学校のメアドは、
だいたい長い。
そしてダサい。


花粉より、
ウィルスが怖い、
テスト前。


他にも、長いのあり、短いのあり様々。
それぞれ<学割BB>のサービスによるベネフィットに
ひっかけたものばかりである。

先の「優しいのは、最初だけ?」も、
卒業後6ヶ月間も学割料金で使えるメリットについて
語ったコピー。卒業しても優しいということだ。
ほんとうに、えこひいきである。

いずれのコピーにも!となったわけではない。
ただ、AOLの<学割BB>のWebサイトを見てみると、
ポスターに使われていた、キャンペーンのビジュアルが
現われるのだが、面白いのは異なったキャッチコピーが
かわるがわる出てくる点。
ビジュアルは同じなのでほとんど変化しないが、
コピーだけが変わる。

まるで没になったコピーが、亡霊のように
次々出てくる様のようだが、
グラフィック広告ではできない作り。
TVのCMでもやらない。
ネット上だからできるのだろう。

文字通り<動くキャッチコピー>。
屋外広告では、見かけるような手法だが、
PCの画面でみると、新鮮である。
グラフィック広告かなと思って、見ていると
コピーだけが変わっているというサプライズ
が楽しいなと思ったしだい。

グラフィックとCMの中間をいく表現手法のようで、
目をくぎづけにする工夫は必要だが、
こうした表現のネット広告も面白いなと感じた。

がんばるぞ。でもホンネはラクしたい。

最近、おやっと思ったのが「ラグジュアリー」という表現。
ランジェリーと間違えそうだが、全く関係はない。
Luxuryの意味は、<贅沢><高級品>、
<豪華な>という形容詞としても使う。

この「ラグジュアリー」を不動産、クルマ、ファッション
の広告や雑誌の見出しでちらほらと見かける。

私がこの言葉を見て思い出すのが「マイ・ラグジュアリー・ナイト
という曲。たぶん70年代後半だろう、その頃にヒットした曲。
歌っていたのが<しばたはつみ>。

いい曲だったのだが、それ以外の曲で<しばたはつみ>を
記憶していないので、ほとんど一発屋だったのだろうか。
いずれにしても、「ラグジュアリー」と聞いて
<しばたはつみ>を思い出すのは、確実に40歳代以上である。
中には、J-レアグルーブとして、彼女のことを知っている
音楽通の20、30代もいるかもしれない。

豪華や高級をイメージさせる、<プレミアム>
という言葉も最近では手垢がつきすぎた。
鮮度が落ちたので今度は「ラグジュアリー」か。
今しばらく観察してみよう。

★今回の!なコピー。

がんばらない血糖値対策を。


大正製薬の特定保健用食品「グルコケア」の広告。
血糖値が高めの人向けの緑茶風味の飲料である。
どこに!となったのかと言うと、「がんばらない」である。

ダイエットの例を出すまでもなく、体重も体脂肪も
悪玉コレステロールを減らすのも大変なのだ。
強い意志と実行力が求められるからだ。
だから、途中で挫折してしまうわけだ。

人間、誰でも<ラクしたい>のだ。
そう、がんばりたくない。
でも健康でいたい。それがホンネ。

血糖値のコントロールも
面倒な食事制限をしないでやりたいのだ。
努力しないで、血糖値対策を行うこと。
おそらく、そんなコンシューマインサイト
見出して、考えたコピーではないか。

最近、出た本「インサイト」によれば、
(コンシューマ)インサイトのことを
消費者が思わず動く心のホッとボタン>と
実に分かりやすく表現している。

3年前にはじめてコンシューマインサイトという言葉を
知ったのだが、核心がつかめぬままにいたところ、
この本を読んだおかげで、スッキリした。

マーケッターやプランナー向きかもしれないが、
よい子のコピーライターも、読んでおくと
タメになるよ。

インサイトを理解した上で、
「がんばらない血糖値対策を」というコピーについて
考えると、健康商品に対する消費者のインサイトから
発想された気がするのである。

実は大正製薬は、<コレスケア>という
コレステロール高めの人向けの飲料でも、

2週間で、いい予感。

というコピーで広告を出していた。
2週間という分かりやすさは、
消費者の心理的な敷居を下げることに
上手く作用したのではと思ったものだ。
買いたくなるツボを押してくれるコピーである。
これもインサイトからの発想か。

つまるところ、
効きのいいコピーをひねり出したいならば、
インサイトから発想せよということ。

問題は、インサイトを見つけるのは
そう簡単ではないということだ。

地震、雷、火事、モンゴル、ラドン。

ああ、びっくりした。
日曜日に起きた、福岡西方沖地震
私の故郷である福岡も、とうとう地震に見舞われた。

思い越せば、鎌倉時代の元寇(モンゴル軍の来襲)、
太平洋戦争中の福岡大空襲
私が高校時代に経験した、福岡大渇水
ああ、それと怪獣ラドンによる市街の破壊も。

福岡は、地震による大きな被害を受けてこなかった
エリアであった。比較的 地震リスクの少ないエリア
であったはずだが、昨日の地震でそうも言えなくなった。
たしか神戸もそう言われてきたはず。

テレビによる地震の第一報から10分後には、
すでに電話が不通状態、携帯電話も不通。

実家の状況が分からず。不安になる。
平穏な東京にいてこの状態なので、
現地で被害にあった方々の動揺はいかほどか。

新潟中越地震を思い出し、電話をあきらめ
メールに切り替え。こちらで連絡をとることに。
さいわいメールでの連絡は通じたのでひと安心。
電話が通じたのが、午後2時過ぎ。

地震報道について、TVやラジオにお願いしたい。

震度や被害エリアの状況も重要だが、
地震が起きた場合、電話が通じにくくなるのは
何度も経験したはず。
せめて、テロップでその旨を説明し、メールでの
連絡の方が連絡しやすくなることを表示
して
もらえないかな。

日本に住んでいる限り、
地震からは逃れられないのだ、本当にそう思った。

★今回の!なコピー

しあわせをまもる家。


都市に建つ限り、火災にも強くなければ、
地震に強い家とは言えない。



一つ目が積水ハウス、二つ目が旭化成ホームズ
阪神大震災以来、ビルなどの建造物は
耐震性の強化が図られてきたが、広告をみる限り、
個人住宅の<防災>は、ごく最近になって増えてきたような
気がする。

ハウスメーカー各社は、防災についての
仕様にも十分取組んでいるらしいが、
TVのCMは、相変わらず、快適なライフスタイルや家族のふれあい
などのほんわかしたイメージで訴求している。
そろそろあいまいな情緒的メリットではなく、
地震対策を意識した訴求もあった方がいいのではないか。

ところで、まだ「地震に強い家」をつくる
ハウスメーカーというブランドをもった
企業はないようだ。
大きなお世話だが、これを最初に消費者の
マインドに刷り込めば、大きなビジネス
アドバンテージになるのではないか。

今朝の情報番組で、首都圏での地震について
専門家が言及。それによると、いかに耐震、
免震構造の建物であろうが、それが立っている
地盤が脆いので、安全は万全でないとのこと。
なんということだ。

首都圏や東海地方だけでなく、全国規模での
地震対策への取り組みが必要になってきたのではないか。
はやくそういうシステムの構築が必要なのだと
つくづく思う昨日であった。

実家では、大きな被害はなかったが、
人間もネコも相当怖かったらしく、
父親は、夜風呂にも入れなかったらしい。
微震ながら、余震も続いているらしい。

これ以上、被害が大きくならないことを
祈るばかり。

ヒップだけ、ジェニファーロペス。

その男は、長谷川京子がCMに出ているという理由で、
グリコの「ポスカム」を買っていた。
ある日、「ポスカム」のCMからは、長谷川京子が消え、
その替わりに暑苦しい顔をしたトータス松本
キャラクターとなった。
その男は、ガムのブランドにこだわらないので、
「ポスカム」を買うのをやめた。
トータスがうれしそうに噛んでいるガムを
うれしそうに噛めないからだ。

そんな時に、リカルデントのCMで伊藤美咲を観た。
そして、彼はリカルデントを買いはじめた。
今では、その男は明治の「キシリッシュ」を買っている。
福山雅治がCMに出ているからではない。
キシリトールが入っているガムで一番安かったからだ

広告主のみなさん、ガムを選ぶ
消費者のインサイトって、この程度だよ。

それとタレントを使ったCMは一気にその商品の
ファンを増やすことができるが、一気に減らすことも
あるのだ。
それを承知で、高いギャラをひねり出して
使っているのだろうけどな。

ところで、その男とは…

私である。へへ。

★今回の!なコピー。

あなたの息を福山雅治に。

明治製菓のガム「キシリッシュ」のCM
うれしいかね、息だけ福山雅治になっても。
女子にお尋ねしたい、息だけ福山のような男に
(だいたい福山の息のニオイを知っているのかね)
ときめくのかね。

たしかに福山の息は、イメージとしてならば、
爽やかな香りという気がしないでもいないが、
個人的には、息だけ福山雅治になろうが、タッキーになろうが、
トムクルーズになろうが、ちっともうれしくない。

例えば、女性から「お口のニオイが岡田准一みた~い」と
言われても、絵でなく額を褒められている気がして
なにか素直に喜べないのである。
…ん、いやちょっとうれしいかもな。へへ。

ともかくだ。福山雅治の息くらいでは、
私のエモーションはピクリともしないのだ。

なんだか、イケメンに嫉妬するオッサンの悪態みたいな
記事になったが、ここ数年、デオドラント先進国と言おうか
行き過ぎた清潔大国のような様相をみせる日本に、
なんだか不安なのだ。

嗅覚の衰えた人間ばかりになってしまうぞ。

そんな私は、そろそろ加齢臭を
心配しなければいけないお年頃だ。

日本に、いい男を。

ダンデイハウスのコピーが、私を脅すのだ。
イメージキャラクターは、リチャードギア。今ごろなぜ?

メンズ用化粧品も最近増えたし、オヤジもきれいに
しておかねいと、嫌われる世の中になっているようだ。
エステに気をつかうくらいでないと、成功できないらしい。

ところで、息だけ福山雅治という切り口は遊べるぞ。

ヒップだけジェニファーロペス。
バストだけ、井上和香
頭の中身だけ、ガッツ石松。
おなかの肉だけ、堀江貴文。

鼻の穴だけ、北島三郎。

あなたも考えてよ。

常識に、ヒビをいれないと。

サッカー日本代表に、中田ヒデが復帰。
うれしい知らせだ。
他の選手の成長や、中田がいなくても
結果を出していることから、
いなくても大丈夫。のような中田不要論
あるようだが、果たしてそうか。

中田は絶対に必要であるというのが私の意見。
その理由は、テクニックや経験があるなしではなく、
あの<圧倒的な勝利へのメンタリティ>が、
最終予選という修羅場に必要だと思うから。

時として、そのメンタリティに周囲のプレーヤーが
ついていけずに、空回りしていることもある。
しかし、劣勢であってもふんばりどころでも
中田は一人気を吐いてプレーをする

あの97年のジョホールバルのゲームで、
最後まで果敢に勝機を作り出していたのは、
中田ではなかったか。
大敗したフランスとのテストマッチでも、
一人貪欲に勝利をめざしていた。

完治していないケガや、ゲーム感の問題、
プレーにおけるコンビネーションなど
不安もあるが、中田のメンタリティが
必要になってくる時があると思う。

それに日本は、W杯予選ではもう8年も
修羅場をくぐっていないのだ。
やはり、修羅場での戦い方を知っている
鬼の隊長がいるのといないのでは、
全く違うはずだ。
最後には、“勝ちたい”という気持ちが
上回る方に、勝利の女神は微笑むのだ。


…と中田英寿とは何の関係もない

★今回の!なコピー。

売れてないモノじゃなく、
よく売れるモノを、
値下げしました。

子育てに迷ったら、
悩んだら、困ったら
「保育所」に来てください。

大人になった。河合塾に入った。



順番に、アスクル、厚生労働省、河合塾の広告。
(河合塾のコピーだけ、うろ覚えなので正確
でないかもしれない。そうであったら訂正したい)

この3つのコピーだが、共通点がある。どこか?

答え:それは常識を逆手にとって、広告を見るものを
?と!とさせること。
分かりやすくいうと、こういうことだ。

一般的には、値下げするものは売れない商品、在庫処分品。
一般的には、保育所の目的は幼児の育成で
親の悩み相談まではフォローしない。
一般的には、河合塾は受験生が入るところ。

というのが、おおむね常識のように、私たちの頭の中に
あると思う。先入観が出来上がっているのだ。

だが、伝えようとしていることは

アスクルの場合は、
売れている商品でも、値下げするよ、だからお買い得。

厚生労働省の場合は、
これからの保育所は親も育むよ。気軽に相談に来てください。

河合塾の場合は、
受験生だけではなく、
実は社会人を対象としたコースもありますよ。

…ということだ。

コピーライティングの作法として、
この先入観にヒビをいれる方法がある。
ヒビを入れることで、!とさせるのだが、
言葉の選び方や表現の切り口で、
効くコピーにも効かないコピーにもなるので、
書き手次第で変わるが、
手法としてはよく使われる手だ。

人間関係でなく、常識にヒビをいれよう。

久しぶりにコピーライターらしい、
少しは役に立つ情報を書いたな。
役に立たなかったらごめんよ。


それと、紹介するのが遅くなったのだが、
2月10日の記事「王者と、プライドと、マル暴と。」で、
ウラ家業の方々にも人気のあるメルセデスベンツについて、
本社はどう捉えているのかと書いたら、

う。さんから次にようなコメントをいただいた。
一部紹介する.

ドイツの本社が、ずいぶん以前に
『当社の製品は世界中で、好まれていない人々に愛用されています。
当社としてもどうかと思いますが、です(正確ではありません)』
というような、一種開き直りとも言えるコメントを出したように
覚えています。好ましくない、は unfavorable people。


いいね。

なぜマル暴までがベンツに乗りたがるのか。
それは、圧倒的な走行性能や安全性。
生き方は違っても、選ぶ理由は皆同じ。


unfavorable people's favourite car.

のようなコピーでウラ広告を作りたくなるな。
う。さんどうもありがとう。

そして、許してね。メルセデスベンツ。
悪気はないから。