シャネル銀座ネクサスホールでピアノコンサート♪ | LOVELOG

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銀座のシャネルビル4階ネクサスホールでのソロコンサート。

巨匠の演奏を大ホールで聴くのとは違い、音響もあまり考えていないだろう四角い小さな、ホールというより広間みたいな場所で、ほぼ生音を聴くことの出来る意外と貴重な演奏会です。

今回はピアノ。

この日のピアニストは、20代前半の若い男性だったんだけど、話し方も顔も、そして音も、なぜか老成しているような妙な味がある人でした。

丸くて滑らかな音を出す、不思議な魅力のあるピアニスト。

$LOVELOG-シャネルコンサート

プログラムは、チャイコフスキーの小品から始まり、ソナタ形式の現代音楽、ショパンのバラード、スクリャービン2曲という構成でした。

チャイコは、民族的で悲哀と軽快さが交互に出てくるチャイコらしい美しい曲。

現代音楽とスクリャービンは、正直、全く分からない…。現代絵画の美術展でBGMとしてかかってそうだな、とか思った程度。知らない曲は予習して、本番を楽しみたいところだけど、現代音楽は予習する気にもならないなぁ。

そして、この日の一番の名曲は、ショパンのバラードでした。
バラードの中でも難曲とされる4番を、このピアニストは、とにかく美しく、悲しさを優しさで包んで、なめらかに、やわらかく。
そして、劇的に華やかで力強い、再現部の第2主題のあたりで涙出ました。

そして、実は、私が一番良かったと思ったのは、アンコールの、ショパンのエチュード10-1。
練習曲集の1ページ目にあるこの曲は、ピアノを少し習っていた人なら、必ず弾いたことのある右手の練習曲。
スクリャービンで複雑になりすぎた頭と心を、ハ長調の簡潔な曲で明快にすっきりさせてくれた。

この人の弾くエチュード1番は、ちゃんと男性的で、流麗なだけの1番ではないんだけど、どこか柔らかく丸くて優しい、このピアニストの雰囲気を保っていた。たくさんのピアニストの1番を演奏会やCDで聴いたけど、どの人とも違う独特の美しさがあったなぁ。

後で、プロフィールを見て、アシュケナージに師事していると書いてあって、妙に納得する反面、アシュケナージの機械的なまでな正確さのイメージとは、少し違う魅力があって、とても良かったです。


ちなみに、若い頃のアシュケナージの演奏。 完璧!!そして、若い!!
練習曲だから、それほど感動する曲でもないんだけど。
アンコールにさらっと弾くにはぴったりかも。


ウラディーミル・アシュケナージ ショパン エチュード Op10-1