「ママね、癌だったの…」 

 

 まだ2年前のこと


当時13歳だった娘に

そんなふうに

伝えなきゃいけない日が

 

 

黙ってうつむき

ぽたぽたと涙が

床に落ちていくのを

娘を抱きしめながら泣いた

 

 

会社の健康診断

再検査を大学病院で受け

 

なにも考えずに

診察室に入るなり

心のない男性医師に

 

「あなたさ、癌だったわ」

 

頭が真っ白になり

やっぱり放心状態になりましたね

 

心のない男性医師は

泣いているわたしを横に

淡々と看護師とやりとりをしてる

 

あのさ、泣いたってね

どうにもできないのね

 

離婚したばかりなんでしょ

じゃまだ再婚とか考えてないでしょ?

 

手術いつする?俺10月ならいいよ

 


とても乱暴なモノの言い方で

その後、看護師から

謝りの電話が来たのを覚えてます

夫が居ないだけで

こんな侮辱めいた暴言まで

吐かれるなんて

 

もの凄く苦しかった離婚から

解放されて

あたらしい未来へ

向かうはずの矢先に

 

 当時は、渦を巻いて

どん底に突き落とされる

そんな思い



わたしは

子宮頸がんの頸部腺癌を

発症したのでした