ホールで知らない人と仲良くなって、何かをもらうことってある。
アタシは打っている機種がアレなので、基本的に
おじいちゃんおばあちゃんと仲良くなるんだけど
アメ、コーヒーをはじめ
みかん、パチンコのドル箱3箱、現金・・・
とにかく色々もらってきた。もちろんお返しする。
(ドル箱や現金の話は長くなるので今回は省略)
ホールと言えども、人に親切にすれば、何かが返ってくるといった
コミュニケーションで、時々ほっこりした気持ちになれる
場所だとアタシは思っている。
大当りをひいたものの玉がないって時に、近くにいたおじいちゃんが玉を
入れてくれて現金投資しなくて済んだって事もある。もちろん、その時は玉を返す。
これは、誰に教えてもらったわけでもなく、当たり前の行為だ。
こう前置きしちゃうと、オチも完璧に分かってしまうだろうから
今から書く話の内容のネタバレをしょっぱなからしてしまおう。
スロットで若者にコイン1枚を貸したら、返してもらえなかった。
ある日のことなんだけど、アタシはスロットで高設定をツモったので
もくもくと打っていた。すると、隣に若者が着席。
その若者の恰好は、いまどきって感じだけど、顔は田吾作って感じだったから
以下、田吾作と呼ぶことにする。
田吾作はボーナスを引き、ビッグを揃えたものの、1枚しかコインがなかった。
ボーナスを消化するには、もう1枚コインが必要だ。
田吾作は席を立ち、落ちているコインを探しにいった。
でも、コインは見つからなかったのか、席に戻り、ズボンのポケットから
財布を取り出そうとした。
1枚の為に千円札を崩すのも可哀そうだなと思い、
アタシは田吾作にコインを渡した。はにかむように笑い、それを受け取った田吾作。
その笑顔を見て、田吾作良かったネ。そう、心の中でつぶやいた。
そして、田吾作はボーナスを消化したんだけど、普通ならばココで
さっきはありがとうございましたとコインを返してくれる。
でも、返してもらえなかった。
返さないのね、田吾作・・・
心の中でつぶやいた。
だけど、田吾作の打っている台には設定入ってないだろうから
きっと、のまれて最後に残った1or2枚を返してくれるのだろう
と田吾作に期待してみることにした。
もう、ここまでくるとコイン返してもらうどうこうよりも
田吾作は果たして、常識があるか否かが気になっていた。
しかし、アタシの期待もむなしく、田吾作は
意味のない、1枚がけでその台の最後を飾った。
もう一度言う。1枚がけで打ちやがった。
意味ないじゃん。そこまで返すのがイヤだったの?
いまどきの若者ってそんな感じなの!?
心の中のつぶやきが、思わず声に出そうになった。
それほど、ビックリしたのだ。そんな人は初めてだったから。
人に親切にすれば、何らかのカタチで返ってくる
そんな事がナイ場合もあると知った。ひとつ大人になった。
とにもかくにも、ホールで人に何かするのが怖いな…
とトラウマになったアタシ。
アタシみたいに、こうゆう経験した人っているのかしら!?