あれから4年





私たちは


LINE や電話で

言葉と声を重ねあっていた 


いつの間にか

彼は私を「きらり」と

呼ぶようになった



彼らの自立を妨げないよう

心の距離感は保ちたいと


お互いに干渉をすることもなく

励まし合うこともなく…


それでも

時折あたため合い満たされる

不思議な関係


話のネタはどんどん増える


それぞれ

躊躇せず行動するので

毎日が新鮮だった


時には行動を共にして

感動を共有した



そしてこの春

彼の子どもは大学へ進学し

家を離れた


彼のバタバタとした日々が一段落したので

私たちは

初めての温泉旅行に来ている


東海岸の高台にある

風情のあるお宿


チェックインの前に

私は砂浜で

彼をシーグラス拾いに付き合わせた


風は少し冷たいけれど

気持ち良い


私は定期的にこの海風に

吹かれに来る

 

私はこんな

抜けるような

自由な風に憧れる


彼も徐々に

そんなイメージになってきた

重さが減って

今は滞りなく流れている


仕事も軌道に乗り

力仕事もするので

あの頃よりも身体がひと回り大きくなり

エネルギー量も増えている


良かった…






初めて体験する宝探しに

時々「あったー!!」と大声を上げるから

笑っちゃう…


拾ったガラスを握りしめて

向こう側から歩いて来る彼が言った


「あのさー」


「ん?」


「明日の朝、またここに来ない?」 


「どうして?」


彼は私のビニール袋に 

ガラスをジャラっと入れると

水平線を見ながら言った


「俺

 好きな人と

 朝陽を見るのが夢だったんだよね」


びっくりし過ぎて言葉が出なかった



そんな話

聞いてないけど?


私もずーっと憧れてたんだよ?


「だからさ

 今日は何もしないで早く寝よう!」

いたずらっぽい笑顔でそう言うと

私の右手を引っ張った


私はバランスを崩したふりをして

彼に抱きつくと

「そんなの絶対ムリじゃん」と呟いた


だよなー!と笑いながら

ぎゅーぎゅー抱きしめてくるから

笑いが止まらない


やめろー!離せー!と言いながらも

幸せ過ぎて涙が出てくる







あぁ…


神様

仏様

龍様

アセンデッドマスター様 

その他諸々の皆様…


ご褒美をありがとうございます!!


学びもお試しも

まだまだ来るだろうけど

(いえ、もう要りません)


幸せです!!


なんで泣くんだよ!と笑いながら

私の頭をぐしゃぐしゃするから

カッコつけようがない

気持ちが丸裸になってしまう


ヒロだって泣いてるじゃん!


ずっとこうやってじゃれていよう


まだまだ

二人の魂を思いっきり遊ばせよう 





そう


決めた 






海面がキラキラと輝いていた